検証…アウトレット、フードコート使いにくい? カウンター高すぎる 優しい街チェック 電動車いすで移動体験

ふかや花園プレミアムアウトレットでユニバーサルデザインチェックをした立正大学生と在宅ライフ倶楽部のメンバー(提供)

 埼玉県熊谷市の市民活動団体「在宅ライフ倶楽部」(小森洋司代表)は、障害のある人たちにとって“優しい街”になっているかを確認するユニバーサルデザインチェックを、深谷市内のアウトレットなどで実施した。

 参加したのは車いすの利用者4人をはじめ、視力障害などがある7人と介助者や看護師のほか、埼玉建築士会大里支部と立正大学の熊谷キャンパスで学ぶ学生ら計25人。JR熊谷駅から秩父鉄道の車両で、「ふかや花園駅」と「ふかや花園プレミアムアウトレット」を訪れた。

 同アウトレットでは手元の操作だけで動く、次世代型電動車いすの貸し出しを行っている。立正大生らは実際に車いすに乗っての移動と介助の両方を体験。学生らは、車いすの横幅が予想よりも大きく、少しの段差でも進行の妨げになることなどに驚き、苦心しながら動かしていた。

 体験後の感想は「車いす利用者と健常者の目線の違いにとまどった」「フードコートのカウンターの位置が高すぎて使いにくかった」など。また、「障害のある方が、すんなりと配慮が受けられるような環境をつくるためにはどうしたらいいのか、考えさせられた」との声もあった。

 同倶楽部事務局の江藤昌洋さん(64)は、「ユニバーサルデザインの街は、ベビーカーを使う子育て世代や高齢者にも優しい。軽度障害の方が自力で移動できれば、介助者不足の解決にもつながる」と話していた。

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