アジア株式資本市場のディール、下半期は活況か 足元でインド好調

Scott Murdoch

[シドニー 27日 ロイター] - 今年下半期はアジアが株式資本市場(ECM)のディールで活況を呈する地域になりそうだと、銀行関係者やアナリストは予想している。インドで案件が増加しているほか、中国・香港も取引復活が期待されているためだ。

アジアECMのディールにおけるインドのシェアは過去最高に達し、しばらくは大幅な増加が続く見通し。

LSEGのデータによると、上半期のインドのディール件数は前年同期比137%増で、総額は285億ドル。このうち新規株式公開(IPO)は89.3%増、総額42億5000万ドルだった。

現代自動車のインド子会社は年内に25億─30億ドル規模のIPOを実施する予定で、実現すればインド最大のIPOになる。

一方、上半期の中国本土のECMディール件数は70%弱減少し、総額は255億ドルにとどまった。IPOは83.1%減の53億ドルと、11年ぶりの低調さだ。

上半期の香港のIPOも前年同期の21億2000万ドルから14億6000万ドルに大きく落ち込んだことが、LSEGのデータで確認できる。

ただ香港のハンセン指数は過去3カ月で9%前後も上昇しており、今後IPOの増加につながる良い兆しと見なされている。

JPモルガンの日本を除くアジアECM共同責任者を務めるスニル・デュフェリア氏は「国際投資家は香港と中国に対してなお慎重だが、継続的な政策支援と力強い企業利益を背景にセンチメントは改善している。これによって彼らは過去数カ月でアンダーウエートのポジションを縮小してきた」と指摘した。

中国証券監督管理委員会が今年に入って76件のIPOを許可したことも追い風だ。昨年全体の許可件数は80件だった。

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