長崎大水害を忘れない 戸石小で慰霊の灯籠作り

牛乳パックを使った灯籠にメッセージやイラストを添えた児童=長崎市立戸石小

 1982年7月に起きた長崎大水害(死者・不明者299人)の教訓を次代につなげようと活動する「八郎川慰霊の灯(ともしび)プロジェクト」(木村武夫代表)が27日、長崎市戸石町の市立戸石小で防災授業を開いた。
 東長崎地区は八郎川が氾濫するなどして多くの犠牲者が出た。同団体は2019年から追悼行事を開くほか、事前に地区内の小中学校で授業をし、子どもたちの防災意識を高めている。
 授業を受けたのは6年生88人。雷雨の後に一気に増水する川の様子や被災者が撮影した静岡県熱海市の大規模土石流映像などを視聴しながら、その時に一番安全な行動を選択する重要性を学んだ。
 畠中玲七さん(11)は「家の近くは木が多く土砂災害が心配。周りに合わせるのではなく、警報が出たら避難の必要性があるかしっかり考えたい」と真剣な表情。木村代表は「日頃から『もし』をイメージすることが大事。今日の授業や災害のニュースに関心を持ち、家庭で話題にしてもらえたら」と話した。
 この日、児童らは牛乳パックを使った灯籠作りにも取り組んだ。7月14日午後7時から東町の長龍寺公園などで開く追悼行事で、地区内の園児や小中学生が作った過去最多の約3千個の灯籠に明かりをともす。

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