エフレイの研究者受け入れへ 「福島県双葉郡8町村の連携必要」 沖縄・オイスト視察

OISTの加藤事務局長・副理事長(左)から話を聞き、エフレイの研究者らの受け入れ体制をどう整えるか考える双葉郡の首長

 福島県双葉郡8町村の首長は27日、沖縄県の沖縄科学技術大学院大学(OIST、オイスト)を視察した。福島国際研究教育機構(F―REI、エフレイ)が浪江町に設立され、今後研究者らの受け入れ環境整備が必要となる中、世界各国の学生や教職員らを受け入れている施設の先進事例を学んだ。

 エフレイの外国人を含む研究者や、家族らの受け入れを控え、オイストの取り組みを生かす狙い。エフレイと同じく政府主導で2012(平成24)年に誕生した。50以上の国・地域から集まった学生、教職員ら計約1380人が研究・教育に励んでいる。学内への保育施設の設置や言語教室の実施などを通じ、家族を含めた生活支援体制をつくっている。

 8町村の首長はオイストの加藤重治事務局長・副理事長らから、これまで取り組んでいる研究・教育の内容を聞いた。近年は教員らと住民の交流に力を入れ、出前授業や科学に触れるイベントなどを催し、地域に開かれた大学を目指しているとの説明も受けた。

 終了後、双葉地方町村会長の篠木弘葛尾村長は福島民報社の取材に、双葉郡内で広域的な連携を図りながら、研究者の生活環境を整える必要があるとの考えを示した。「各町村との連携が不可欠だ。学んだ点をしっかりと参考にしたい」と話した。

 エフレイが立地する浪江町の吉田栄光町長は、研究者らと住民が交流する場をつくり、地域に波及効果を生み出すのが重要だとして、「広い範囲の市町村が(生活の)受け皿になれば、住民との交流も盛んになる。(受け入れ環境整備は)10年、20年と長い道のりになるかもしれないが、しっかりと取り組む」と語った。

 視察には遠藤智広野町長、松本幸英楢葉町長、山本育男富岡町長、遠藤雄幸川内村長、吉田淳大熊町長、伊沢史朗双葉町長も臨んだ。

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