菊池雄星は“優勝請負人”として新天地へ旅立つのか。米メディアは「ここ2年でコマンドとコントロールが劇的に改善された」と称賛<SLUGGER>

7月30日(現地)のトレード・デッドラインまであと約1ヵ月。ドジャースやフィリーズのようにポストシーズンへ向けて順調にひた走るチームもあれば、ホワイトソックスやエンジェルスのようにすでに下位低迷が確定的なチームもある。

そんな中、難しい決断を迫られているのがブルージェイズだ。3年連続ポストシーズン進出を目指して臨んだ今季だったが、6月26日終了時点で36勝43敗。借金7でア・リーグ東地区最下位に低迷している。

17~24日には地区ライバルのレッドソックス、中地区首位のガーディアンズに7連敗を喫してロス・アトキンスGMも「10日前はいい流れが来ていると思っていたのだが、消えてしまった」も失望を隠せず。これにより、にわかに「トレード・デッドラインでは売り手に回るのではないか?」との声が勢いを増している。

もっとも、「売り手」に回るとしても、来季以降も契約が残るケビン・ゴーズマン、ブラディミール・ゲレーロJr.、ボー・ビシェットらコア戦力は放出せず、2025年の捲土重来に賭ける可能性も十分ある。
そうなった場合、にわかに注目を集めそうなのが今季終了後にFAとなる菊池雄星だ。ここ数試合打ち込まれて防御率は4点台に乗ってしまったが、83.1回で86奪三振。好調時の投球には目を見張るものがあり、移籍市場に出れば少なくないチームが獲得に乗り出すだろう。

米ウェブメディア『ジ・アスレティック』も「ここ2年間でコマンドとコントロールが劇的に改善された」と称賛しつつ、「もしトロントがこのまま負け続ければ、33歳の左腕は8月に新しいユニフォームを着ているだろう」と予想している。

19年の渡米以来、さまざまなアップダウンを経験しながら着実に実力を積み上げてきた左腕は“優勝請負人”として新天地に旅立つのだろうか。

構成●SLUGGER編集部

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