「大谷翔平の“2発”は古巣フロントへの罰だ」米メディアが独自視点「エンジェルスはスーパースターを逃してしまった過去を、後悔しないはずがない」

現地6月21日と22日、ロサンゼルス・ドジャースは本拠地でロサンゼルス・エンジェルスと2連戦を行ない、結果は1勝1敗だった。初戦はエンジェルスが延長10回に勝ち越して3対2で勝利。2戦目はホームのドジャースが7対2と完勝した。

この試合で注目を集めたのが、2018年から23年までエンジェルスでプレーした大谷翔平だった。二刀流の挑戦を認めてくれた古巣では、在籍6年で二度のMVP。FAとなった23年オフにドジャースに移籍した。

大谷は初戦の5回裏、2死一塁の場面で455フィート(約138.7メートル)の2ラン本塁打をバックスリーン横に打ち込み、2戦目の3回には前日よりも飛距離を伸ばした459フィート(約139.9メートル)の特大アーチをスタンドに叩き込んだ。

エンジェルス戦での大谷の活躍を受けて米メディア『FanSided』は、「オオタニのエンジェルス戦での2本の本塁打は、古巣フロントの誤った選択に対する罰だ」という独自視点の記事を出した。

「エンジェルス戦でのオオタニは、“成功こそが最高の復讐である”という古い格言を証明するかのような活躍だった。アナハイムでの6年で頭角を現わし、オールスターに3回選出。世代を代表する選手として評判を高め、21年と23年にア・リーグMVPに輝いた。しかし個人としての成功は、結果的にチームの勝利につながらず、赤色から青色のユニホームに着替える決断を下した」

こう記した同メディアは、「オオタニが抜けたエンジェルスは、30勝46敗と惨憺たる成績に落ち込んだ。一方のドジャースは48勝31敗で2位に8ゲーム差をつけて首位を独走。余裕のリードを保っている」と、両チームの成績を比較している。
ドジャースはムーキー・ベッツや山本由伸ら、主力の複数人が故障欠場中。勢いに陰りが見えそうな状態ながら、「6月16日からの7試合で、打率.481(27打数13安打)、本塁打6本、打点13、四球7」と大谷の好調さに言及し、「この活躍に、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督も驚嘆している」と称えている。

さらに、「エンジェルスのフロントにとってオオタニの活躍は、自分たちが何を手放したのか思い出させる機会になった」として、エンジェルスのフロントをチクリ。「オフにFAとなったオオタニは、ドジャースと契約を結ぶ前にサンフランシスコ・ジャイアンツ、トロント・ブルージェイズ、エンジェルスなどの複数球団に同じ逆オファーを出した。そのなかで唯一、エンジェルスだけがオオタニ側のオファーを拒否した」と、すでに明かされてるオフの舞台裏にも触れている。

エンジェルスが逆オファーを受け入れたとしても、結果的に大谷はドジャースと契約したかもしれない。しかし、同メディアが表現した「不可解な決定」で、エンジェルスのフロントは大谷と対話することなく手を引いた。

「ドジャースへの移籍は、おそらく最善の選択だった。エンジェルスはオオタニとマイク・トラウトを擁しながら、毎年のようにプレーオフに進めず、一方のドジャースは毎年のようにプレーオフに進んでいる。今回の2連戦は1勝1敗だったが、両チームの格差は明らかだ」

最後に同メディアは、「オオタニがドジャースで活躍するなか、エンジェルスのフロントはスーパースターを逃してしまった過去を、後悔しないはずがない」と、エンジェルスの無念さを記して記事を締めた。

エンジェルスとの2試合で大谷は6打数3安打、2本塁打、4打点、3四球、2得点。とりわけ古巣相手に見舞った2本の“恩返し弾”は、米メディアにも大きなインパクトを残した。

構成●THE DIGEST編集部

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