コロナ療養施設での元職員による強制性交は「なかった」 鹿児島県医師会がメール公表し主張 県警不祥事との関連も否定

「県警不祥事との関連はない」として会見を開いた県医師会の大西浩之副会長(中央)ら=27日、鹿児島市の県医師会館

 新型コロナウイルス宿泊療養施設で女性に同意なく性的行為をしたとして、鹿児島県医師会元職員の男性が強制性交の疑いで書類送検され不起訴になった事件を巡り、同会は27日、「強制性交はなかった」と改めて主張した。県警の不祥事と同事件との関連を指摘する一部報道があることを受け、鹿児島市で会見した。

 大西浩之副会長ら4人が説明。主張を補強するとして当事者間のメールの一部などを公表した。「公表は行き過ぎではないか」との報道陣からの質問に「我々も実害が出ている。情報を出し過ぎているという認識はない」と答えた。県警の不祥事との関連は否定した。

 会見に先立ち、女性側の弁護士は「民事訴訟を提起し、刑事事件として検察審査会にも審査を申し立てている。女性の同意はない」などとコメントを出した。

 女性側の告訴状などによると、2021年9月、新型コロナ宿泊療養施設内で男性から複数回、性的暴行を受けたとしている。男性は書類送検され、鹿児島地検が23年12月、嫌疑不十分で不起訴処分とした。女性側は今年1月31日付で、再捜査や起訴を求め検察審査会に申し立てている。

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