中国の電子商取引、1~5月オンライン小売売上高12.4%増 消費回復に寄与 

中国の電子商取引、1~5月オンライン小売売上高12・4%増 消費回復に寄与 

 浙江省湖州市長興県の星網電子商取引創業園にある宅配企業で、仕分けや出庫などに追われる従業員。(6月18日撮影、湖州=新華社配信/譚云俸)

 【新華社北京6月28日】中国商務部電子商務司の担当者は25日、電子商取引(EC)が今年に入って以降、消費の回復、デジタル経済と実体経済の融合、国際経済・貿易の協力を積極的に促進し、ビジネス分野のデジタル化レベルが高まりつつあると紹介した。

 ECが消費市場の潜在力を引き出した。販促イベント「双品(ブランド・品質)ネット通販セール」(4月28日~5月12日)の開催、6月18日付近に行われる「6.18」ネット通販セールの繰り上げ開催など、オンライン販促イベントの強力なけん引により、1~5月のオンライン小売売上高は前年同期比12.4%増の5兆7700億元(1元=約22円)に達した。社会消費財小売総額に占める実物商品のオンライン売上高は24.7%に達し、1~4月を0.8ポイント上回った。サービス消費も活気づき、重点モニタリング対象のオンラインサービス消費は23.2%伸び、主要オンライン旅行プラットフォームの訪中観光の売上高は2.9倍となった。デジタル消費は注目点が次々と現れ、人工知能(AI)関連製品は20.8%増えた。政府による耐久消費財の買い替えを促す方針を受け、ECプラットフォームは買い替えのハブとして機能し、5月は洗濯機の販売が33.0%、家具が21.3%、携帯電話が20.0%それぞれ増加した。

 企業間ECがデジタル経済と実体経済の融合を促進した。商務部は地方と共同で、ECプラットフォームによる「取引と産業チェーンの融合」モデルの進展を支援し、重点モニタリング対象の企業向けプラットフォームの取引額は6.5%伸びた。新技術の運用効果は顕著で、画像や文章の生成、スマートな商品選択、人間そっくりな「デジタルヒューマン」による監視などのAI技術は、売り手のコストダウンと効率化に貢献し、利用率は2~3割に拡大した。「デジタルビジネスによる農業振興」は生産と販売の効率的なマッチングを促し、生産者からの直接購入などにより、農産物のオンライン小売売上高は24.7%増加した。

 中国と諸外国がEC分野での協力を深める「シルクロードEC」が国際協力の増進に寄与した。協力覚書の締結国はセルビア、バーレーンが加わり、32カ国に広がった。アイスランドとは、EC分野で製品とサービスの連携を展開している。また、上海の「シルクロードEC協力先行区」では、①制度面の開放が進み、国境をまたいで通関手続きを協力し合う「越境互助通関」など、三つの制度的革新の成果が長江デルタ地域(上海・江蘇・浙江・安徽1市3省)に浸透した②シルクロードEC協力国を含む「一帯一路」諸国向けに越境EC・デジタルビジネス人材を育成する「シルクロードEC協力研修センター」で、関連国向けに300回余りの研修が行われた③国内外のシンクタンク、教育機関、メディアなどが今年5月、「シルクロードEC国際シンクタンク連盟」を共同で設立した④先行区内の協力国パビリオンが26カ所に増えたーーなどの成果がみられた。

 ビジネス分野のデジタル化も着々と進んでいる。「デジタルビジネス3カ年行動計画(2024~26)」の着実な実施、9部門が共同で打ち出した「越境ECによる輸出拡大と海外倉庫の建設推進に関する意見」により、第1四半期(1~3月)の輸出に占める越境ECの割合は7.8%に上昇し、輸出の伸びを1ポイント超押し上げた。デジタル企業の海外進出にも良好な環境を作り出し、デジタル分野の対外直接投資は拡大傾向にある。

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