柿崎区下小野の農地でこのほど、小麦の収穫作業が行われた。地元産「雪の下小麦」の収穫は5年目を迎え、上越市南高田町の小竹製菓では秋ごろ、この小麦を使った商品が店頭に並ぶ見込みだ。
「地元産の小麦を原材料にして商品を作りたい」と同社の小竹孝雄社長(58)が、若手農業者集団「いぶきの会」が寒冷地栽培に適した「ゆきちから」を生産していると聞き、同会メンバーの田中基輝さん(柿崎区荻谷)に栽培を依頼したという。
上越地域では試験的に小麦栽培に取り組む農家はあるが、天候や土壌の性質などの要因から安定的に収穫できるケースは少ないという。
今年は下小野のほ場13アールで栽培。同社の従業員や上越産小麦の商品化を研究する「上越雪の下小麦の会」のメンバーら5人が収穫作業に取り組んだ。春先の少雨で出来は良好、収穫量は300キロ。
小竹社長は「小麦といえば、カナダや米国産が主流で、雪国の上越には縁遠いもの。地元の小麦を使ったパン作りがようやく現実になったと感じた」と、生産者の顔が分かる商品作りの喜びを語った。
収穫した小麦は熟成させてから製粉し、11月ごろの商品化を予定している。