今永昇太 前回10失点KOの過信投球を猛省「今日ぐらいの出力を出し続けないと通用しない」

ジャイアンツ戦に登板した今永昇太(ロイター=USA TODAY Sports)

カブスの今永昇太投手(30)は27日(日本時間28日)、敵地でのジャイアンツ戦に先発し、6回を5安打3失点、3奪三振も勝敗は付かず、8勝目(2敗)はならなかった。同僚の鈴木誠也外野手(29)はメジャー3年目で初めて左翼の守備に就き、5打数2安打1打点。チームは延長10回の末、5―3で競り勝って連敗を4で止めた。

目前だった今季8勝目がスルリと逃げた。序盤から飛ばした今永はメジャー移籍後、最速となる94・6マイル(約152・2キロ)を計測するなど、5回まで1安打無失点。前回のメッツ戦で4回途中10失点を喫した屈辱を晴らすような投球だった。「出力を抑えて相手に勝てるほど甘くないと前の試合で痛感した。その反省を生かして、出力を保ったまま、終盤どれぐらい続けられるか、やってみた」と明かした。

しかし、3点リードの6回に落とし穴が待っていた。二死一、二塁で5番ソレルに内角高めの直球を捉えられ、左中間を破る適時二塁打で初失点。続くマトスの2球目、スイーパーがメジャー自身初の暴投となり2点目を失った。さらに3球目に内角直球で打ち取ったボテボテの当たりが二塁内野安打になり、同点に追いつかれてしまった。

それでも後続を抑えて3失点で踏みとどまり、勝ち越しは許さなかった。6回について「あそこはポンポンポンと失点してしまった。もっと工夫できることがあったんじゃないか。自分からミスしてしまった」と反省を忘れなかった。

この日の投球について「(前回炎上し)ここで何も成し遂げていない自分がなんで8割で抑えようとしているんだと。そこはものすごく過信していた。今日ぐらいの出力を出し続けないと通用しないというのは本当に勉強になった」と振り返る。
この1週間は「めちゃくちゃ不安だった」と吐露。キャンプ時のミーティングでカウンセル監督が訓示した言葉を思い返していたという。「殴られても立ち上がればいい。別にパンチを食らうことは悪くはない。その後に立ち上がるのが大事なんだ」――。今永は「今週はすごくパンチを食らった状態でなかなか厳しい1週間だったが、こういう立ち上がろうとする姿勢を誰かに見てもらえたら」と必死に前を見据えた。

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