米アストロボティック、月探査向け試験場を公開–着陸技術などをテスト

Astrobotic Technologyは将来の月面ミッションを想定した「月面試験場(Lunar Surface Proving Ground:LSPG)」を公開した。

米カリフォルニア州モハベに設置されたLSPGは、100m×100mの敷地に月の地形と南極の照明条件が再現されている。同施設はLiDARスキャナーなどの月面着陸技術のテストや探査車などのロボットシステムのテストに使用される。

「当社の月面試験場は、月面地図から忠実にモデル化されており、この規模の試験場としては最も現実的な試験場となっている」と、Astroboticの事業開発ディレクターを務めるSean Bedford氏は述べている。

Astroboticは月着陸船(ランダー)「Peregrine」を開発。2024年1月8日に打ち上げたが、推進剤が漏洩してしまったため、太陽電池パネルで充電させるための適切な姿勢を取ることができなくなっていたことから着陸を断念。同月18日に大気圏に突入して燃え尽き、ミッションは失敗した。

Astroboticは、米航空宇宙局(NASA)の商業月面輸送サービス(CLPS)の一環として、NASAから委託された貨物(ペイロード)をPeregrineに乗せて、民間企業初の月面着陸を目指していた(民間企業初の月面着陸は米Intuitive Machinesの「Odysseus」が成し遂げた)。

AstroboticはPeregrineの次のランダーとして「Griffin」を2024年後半に打ち上げる計画。NASAの氷探査機「VIPER」を月の南極付近に輸送する。

LSPGの隣に設置された垂直離着陸(vertical takeoff vertical landing:VTVL)ロケット「Xodiac」(出典:Astrobotic)

関連情報
Astroboticプレスリリース

© 朝日インタラクティブ株式会社