宝島さん夫婦の長女・真奈美容疑者 事件後社長に就任…逮捕2日前に漏らしていた店経営の大変さ「なんか店やりたくない」

今年4月、栃木県那須町で宝島龍太郎さん夫婦が遺体で発見された事件から約2カ月たった6月27日、長女の宝島真奈美容疑者(31)が両親を殺害した疑いで逮捕されました。

真奈美容疑者は「めざまし8」のカメラの前で、自身と両親の関係を語っていました。

真奈美容疑者(4月17日取材):
普通の家族じゃないので、実際。変な言い方になるかもしれないけど。私も海外長かったですし。存じてると思いますけど。
基本的に仕事以外の会話はないです。だいぶ前ですけど、その最後の連絡もお互い仕事だったので。仕事…ずっと昔から仕事しか分からない。

5月には、帽子をかぶって車を運転し、ハイヒール姿で車に乗り込むなど、日常の生活を送っていた真奈美容疑者。

上野にある、宝島さん夫妻が経営していた飲食店は最近、数店舗が営業を再開しています。
関係者によると、その店には真奈美容疑者も頻繁に顔を出すようになっていたということです。

真奈美容疑者が逮捕直前に語った「店やりたくない」

最近は、どんな様子だったのでしょうか?

「めざまし8」は逮捕の2日前、真奈美容疑者に会ったという人に話を聞きました。

逮捕の2日前に真奈美容疑者と会った人:
最後に見たのは、おととい(6月25日)ですね。おとといの昼間2時ぐらいかな?
挨拶ぐらい。普通に会ってましたけど、大変だなっていうこともあって…。
「いろいろしなきゃいけないことがありますよ」みたいな感じで普通に話してました。
事件の後は来てなかったんですけれども、ちょっとお店が開けられるようになって「代表者をチェンジしきゃいけない」とか、もしかして「代表者になった」っていうことも聞いたはずです。
「何店舗かオープンできないんですよ」みたいな感じは普通に話してました。

宝島さん夫婦が殺害された後、社長に就任するも、経営の大変さを語っていたという真奈美容疑者。

逮捕の2日前に真奈美容疑者と会った人:
ちょっとまあ疲れている顔だったんですけど、もしかしたら痩せたかもしれないです。
「なんか店やりたくない」っていう言葉も一応。まあ、多めにお店をやりたくない…「両親が一番最初にやってたお店がやりたい」っていうことがあったんですけれども、その以降の店が「もうできない やりたくない」みたいな感じでした。

古くから両親がやっていた店の経営には熱意を見せる一方で、他の店の経営には後ろ向きだったといいます。

関根容疑者と真奈美容疑者の“主従関係”

さらに、真奈美容疑者と関根容疑者の友人に話を聞くと…。

真奈美容疑者と関根容疑者の友人:
(両親が)誠端のことは嫌ってたんで、それを真奈美が逆に、逆ギレしたって感じじゃないかなって思うんですけど。
――親子仲は?
もう悪い。誠端と仲良くなってからはもう悪くなった。
――何が原因で?
誠端のその素性が嫌なんだと思うよ、お母さんらは。ただ単に理由は元々はそれだけだったと思う。最初は。

容疑者らの付き合いをきっかけに崩れたという親子仲。
一方、真奈美容疑者と関根容疑者の仲は、中学時代からのものだったといいます。

――関根容疑者と真奈美容疑者が知り合ったきっかけは? 真奈美容疑者と関根容疑者の友人:
中学からの友達だから。
――その時から知り合っていて?
そう、知り合って久しぶりに会ったみたいだから。お店やってて誠端がまた転がり込んだみたいな感じだから。

――2人の間の主導権は?
真奈美の方があるんじゃないかな。真奈美の方がそれはあると思う。
(関根容疑者は)いざ、結局は真奈美にああじゃない、こうじゃないと言われてやる感じだから。お母さんをなだめるのも真奈美だし。だから誠端は何も言えない。言われたことをやるだけみたいな感じ。

今回、警視庁が真奈美容疑者を殺人容疑で逮捕するに至った決め手。
それは、事件前の関根容疑者とのメッセージのやりとりにあったことが新たに分かりました。

関根容疑者が真奈美容疑者に送っていたメッセージ: 「あいつら消してやる。ここで歩けなくさせてやる」

妻の両親に向けられていた敵意…。事件発生から約2カ月で実の娘が逮捕されたことについて、フジテレビ・平松秀敏解説委員は…。

フジテレビ・平松秀敏解説委員:
やはり密室の殺人事件じゃないですか。実行犯がいて指示役がいてっていうのは、比較的早い段階から防犯カメラの捜査などで明らかになっていたでしょう。ただ、それのバックにいる人物、例えば、関根容疑者の関与というのを浮上させるのはなかなか大変だったでしょう。そうなると、内縁の妻である非常に近しい真奈美容疑者の関与っていうのを追求していくっていうのは、相当時間がかかったんだと思います。

この他にも事情聴取などで証拠固めを進め、27日の逮捕に踏み切ったとみられます。
警視庁は、真奈美容疑者がさらに具体的な殺害計画を知っていたとみて捜査を進めています。

なぜこのタイミングの逮捕だったのか?

なぜ、このタイミングの逮捕だったのでしょうか?
元神奈川県警捜査一課長の鳴海達之氏に聞きました。

元神奈川県警捜査一課長 鳴海達之氏:
6人はすでに逮捕されていまして、その首謀者と思われているのが関根容疑者。ずっと疑問に思っているのは、1500万円の報酬の出どころはどこなのかというところなんですよね。もし関根容疑者が首謀者であって、1500万円を関根容疑者が用意したとなると、お金の管理は誰がしているのかというところなんですよね。関根容疑者が全て管理していれば別に問題ないんですけど、一緒に住んでいる長女の真奈美容疑者が絡んでいるのではないかというのは、やはり皆さん疑問に思っていると思うんですよ。そこを警視庁がずっと慎重に捜査をしていたんだろうと思うんです。
なぜかというと、これまで実行犯や仲介役の再逮捕は死体損壊からすぐ次に殺人に間髪入れずに再逮捕している。でも、関根容疑者と前田容疑者だけは、死体損壊で起訴をして、それからしばらくたってから殺人で再逮捕。
その間にどんな捜査をしているかというと、被疑者がこれでいいのかという人数的なものと他にいるのではないかという捜査を進めるのと、罪名は殺人でいいのか、などいろいろな方向から検討して出した結論が、長女の逮捕につながっているんだろうと思います。

――今回、長女の真奈美容疑者は殺人の疑いで逮捕されましたが、警察は真奈美容疑者が主導的な立場にいるとみて逮捕したのでしょうか? 元神奈川県警捜査一課長 鳴海達之氏:
スマートフォンの解析からメッセージのやりとりが分かったと思うんですが、そういうのを見ると2人で話をして実行しようというふうになったんだろうと思います。いわゆる共謀共同正犯というような形になるんですけど、2人で実行計画を立て、後は関根容疑者が自分で動いて、佐々木容疑者や平山容疑者を通じて犯行を完成させていくっていうことですから主導的な立場にあることには変わりはないと思うんですよね。
(「めざまし8」6月28日放送より)

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