池添と富田が粗暴な行為で騎乗停止に 高圧的絡みスマホ画面割られ口論に 池添は開催日4日間、富田は2日間 JRA発表

 池添謙一騎手(左)と富田暁騎手

 JRAは28日、池添謙一騎手(44)=栗東・フリー=が29日から開催日4日間、富田暁騎手(27)=栗東・木原=を同2日間の騎乗停止処分としたと発表した。25日の午前2時40分ごろ、函館競馬場の調整ルームで互いに粗暴な行為に及んだ。池添は土日で騎乗予定だった10鞍、富田は同14鞍全てで乗り代わりとなる。

 26日に厩舎関係者から情報提供があり、両騎手ならびに事情を知る関係者に対して事情聴取を実施した。24日夜に函館市内の飲食店で複数の騎手で会食。互いに酔った状態で、池添が富田に対して高圧的な態度で絡むなどの行為に及んだ。その行為に耐えかねた富田が近くにあったスマホをテーブルにたたきつけたところ画面が割れたが、その携帯は池添のものだった。

 その後、池添と富田が口論になったが、同席していた別の騎手が2人を引き離し、池添は先に調整ルームに帰った。スマホの画面を割られた池添は怒りが収まらず、電話で富田に調整ルームに戻るように指示。1階ロビーで待ち構え、双方が口論となり、もみ合いとなる粗暴行為に及んだ。

 池添は98年に騎手デビュー。同年38勝をマークし、最多勝利新人騎手賞に輝いた。スイープトウショウやオルフェーヴルなどの主戦を務め、JRA・G1を27勝、同通算1381勝(6月28日現在)を挙げるトップジョッキー。00、01、03、10年にはフェアプレー賞を受賞している。

 富田は17年に騎手デビュー。JRA通算190勝(6月28日現在)。昨年のセントウルS(テイエムスパーダ)で重賞初制覇を飾り、同年はキャリアハイとなる42勝(JRAのみ)をマークしていた。

 騎手相手の暴行による騎乗停止には99年の故・後藤浩輝元騎手などがあり、この時は4カ月間の騎乗停止処分を受けている。

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