東急ストア フードステーション戸越公園店/売上目標6億円のデリカ特化型店舗

東急ストア6月28日、「東急ストア フードステーション戸越公園店」(東京都品川区)をオープンした。

<店舗外観>

東急大井町線戸越公園駅前の集合住宅「ザ・パークハウス 戸越公園タワー」の1階に位置する。売上目標は5~6億円とした。周辺は閑静な住宅街で、新店舗の近隣には、競合となるスーパー「オオゼキ」のほか、「日本調剤 戸越公園薬局」、ドラッグストア「サンドラッグ」、100円ショップ「セリア」、「マクドナルド」などの店舗が並ぶ。

商圏は、単身・2人世帯が約80%を占める地域だという。戸越公園駅を利用する20代後半~50代の周辺居住者・就業者を主なターゲットに、デリカやレンジアップ商品を軸とした即食・簡便商品や、個食・少量パック商品を充実させた。デリカでは、ローストポークやチーズなどを使用した「RICH DELI(リッチデリ)」、鉄板焼きメニューなど、店内製造の総菜・弁当・スイーツを展開する。

<寺井部長>

新店舗について、寺井紀樹 開発統括室 店舗企画部長は「即食・簡便性を店のコンセプトとした。デリカの構成比目標を38%(通常店は20~25%)とし、売上をデリカに全振りした形で営業する。普通のスーパーで取扱う豆腐や卵、調味料の品数は抑えた。商品全体としては高所得者向けではない。東急ストアで徐々に増やしつつあるデリカの特徴を新店でも導入する。

フードステーション業態はミニマムフォーマットだが、今回はしっかりと厨房を設け、温かいものも提供することをストアコンセプトに入れた。非常に狭い売場だが、低温度帯のデリカも強化する。少し値段が高く、食べておいしいものを提供する『リッチデリ』を展開していく。従業員3名、パート12名で運営するが、特定品番の係を設けず、各々が時間帯ごとに異なる役割をクロスオーバー的に担う。

競合店が真横に立地するため、顧客の選択肢を広げるという意味で商品ラインアップはより特化させた方が良い。周辺には単身者が多いというデータがあるため、料理する人も当然いるが、我々の品ぞろえを評価して頂けるのではないかと判断した。肉や魚も簡便品を強化していく。フードステーション業態内で、新しいフォーマットの1つになればと考えている」と述べた。

<リッチデリ>

今年から「東急ストア二子玉川ライズ店」(東京都世田谷区)と「武蔵小山駅ビル店」(東京都品川区)で販売開始した、高品質の総菜「リッチデリ」を導入している。フードステーション業態での導入は初めて。低温度帯でのみ取り扱い可能なローストビーフなどの商品が並び、タルトやプリンといった店内仕上げのスイーツもそろう。

主な商品は「ローストビーフ丼」(オープン時各税別698円)、「ローストポークのサラダ」(498円)など。新商品として、ワンハンドで食べられるスイーツを挟んだ「ワッフル」(298円)も登場した。

<デリカ強化>

店内製造のデリカも充実させ、時間帯ごとに異なる出来たて総菜・弁当を提供する。鯵フライや磯部天、メンチカツに「アスパラチーズの肉巻きフライ」といった揚げ物類などが豊富に並ぶ。お好み焼きや卵焼きといった店内焼き上げの鉄板焼きメニューも用意した。

「幕の内弁当」「牛カルビ弁当」「銀鮭塩焼弁当」といった弁当各種、手巻きおにぎりなどの米飯類も数多く取りそろえる。インストア加工で作った方が価値が出るものを選別して用意した。このほか、PC(プロセスセンター)から送られる寿司や冷総菜も扱う。

<簡便・即食品を充実>

食卓にプラス1品追加できる簡便・即食品を豊富に取りそろえる。レンジで簡単調理できる「四川風火鍋」「銀鮭のコンソメバター蒸し」のほか、酒のつまみにも適した「えびのチョレギ風サラダ」「北海道産たこと野菜のバジルサラダ」などをラインアップした。既存店ではトレーに乗せたまま販売していた「焼きいか」と「ハモの湯引き」を、今回は即食用の小型容器に入れて訴求する。

<青果>

青果は、カット野菜やカットフルーツなどの即食・簡便商品を中心にラインアップ。旬のスイカなどが並ぶ。

<水産・畜産>

水産・畜産品は、PCで加工された魚の切り落としや挽肉などに加え、味付け肉や下ごしらえ済みの貝類などの簡便品を用意している。

<冷凍食品>

デリカ以外の商品については、他店舗でも伸長している商品のうち、今回の商圏に当てはまるアイテムをピックアップ。冷凍食品の場合、店舗のスペースが限られていることから、売れ筋の商品を厳選して取り扱う。

<コーヒー・紅茶類>

コーヒー・紅茶類を豊富に並べる。このうち、猿田彦珈琲の限定ブレンド豆は東急ストアのオリジナル商品だ。

<菓子類も充実>

東急ストアで売上が伸びている菓子類も豊富にラインアップ。リンツのチョコアソートなどの輸入菓子をはじめとする、ティータイムに適した菓子を集めた。国産米菓のコーナー展開も行うほか、輸入グミも導入する。

<クラフトビール>

人気のクラフトビールも取り扱い、二子玉川や五反田のメーカーなど、周辺地域にある地元品を充実させた。

<ロカボ食>

糖質制限ニーズにも応え、ロカボ食もコーナー展開する。

<日配品>

日配品はコンパクトにまとめた。

■東急ストアフードステーション戸越公園店
所在地:東京都品川区戸越5-19-1 ザ・パークハウス戸越公園タワー1階
TEL:03-5751-8250
売場面積:281.62m2(85.2坪)
開店日:2024年6月28日
営業時間:9時~23時
従業員:正社員3名、パート12名

取材・執筆 古川勝平

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