新たに「76人の死者」紅麹サプリ摂取と因果関係が疑われる事例 「認定は想定以上に困難」と小林製薬

小林製薬の紅麹サプリで健康被害が相次いでいる問題で死亡とサプリ摂取の因果関係が疑われる死亡者が新たに76人に上ることが明らかになりました。

また、小林製薬はこの情報について厚労省から問い合わせがあるまで報告していなかったことも明らかになりました。

小林製薬の紅麹を原料とするサプリを巡っては摂取後に腎臓の障害など健康被害を訴える人が続出し、6月26日時点で5人が死亡し、289人が入院したことが明らかになっています。

■3月以降 死亡との因果関係疑われる事案 6月半ばまで小林製薬から厚労省に報告なし

5人目の死亡事例が明らかになったのは、ことし3月でしたがその後、死亡者数について情報は更新されず、6月13日に厚労省が小林製薬に確認をしたところ、その翌日、5人以外にも死亡との因果関係が疑われる事例があると報告がありました。

■死亡との因果関係が疑われる事案 新たに76人に上ることが明らかに

そして、6月28日、武見厚労大臣は、死亡に関する相談はこれまでに170件あり、紅麹サプリの摂取と死亡の因果関係が疑われる死者が76人に上ると、小林製薬から厚労省に報告があったと明らかにしました。

また、ことし3月までに報告があった5人の死亡者のうち1人はサプリを摂取していなかったこともわかりました。

■「問い合わせは遺族、死亡者の数の特定困難」「死亡の原因、様々なケースが存在」と小林製薬

小林製薬は被害発生状況の調査について「問い合わせをする人が遺族であることもあり、紅麹サプリと死亡の関連性の調査、認定が当初想定していた以上に困難を極めていて、現時点では亡くなった方の数を具体的かつ確定的に特定することができない状況」

「死亡の直接的な原因が腎関連疾患であるケースや、死亡の直接的な原因が腎関連疾患でなかったとしても、紅麹関連製品による被害が何らか間接的影響を及ぼしている可能性があるケースなど、さまざまなケースが存在することが明らかになった」とコメントしています。

■「極めて遺憾。小林製薬だけに任せておくわけにいかない」と厚労大臣

武見厚労大臣は、今後の調査についての計画を6月29日までに報告するよう小林製薬に指示しました。

【武見厚労大臣】「私としては極めて遺憾であると思っています。小林製薬だけに任せておくわけにはいきませんから、厚労省が直接調査に関わる計画を、きちんと小林製薬に立てさせて、進捗状況もしっかりと管理をして、それでその調査結果というものについて、より詳細にわかるようにするという風にした」

小林製薬は「被害発生状況の把握と報告、補償などに真摯に取り組んでまいります」とコメントしています。

© 関西テレビ