Box、GPT-4o連携など「Box AI」の機能拡充を発表

by 三柳 英樹

米Boxは現地時間27日、BoxのEnterprise Plusプランの顧客に対して、Box AI for Hubs、Documents、Notesのエンドユーザーに対するクエリを無制限に解放すると発表した。

Boxの共同創業者兼CEOであるアーロン・レヴィ(Aaron Levie)氏は、「AIは、企業がコンテンツを扱う方法における根本的な転換をもたらします。企業が非構造化データからインサイトを引き出し、重要なビジネスプロセスを自動化し、加速させ、これまで不可能だった方法で知的財産を保護することを可能にするのです。今年に入りBox AIの一般提供を開始して以降、コンテンツでAIのパワーを活用できるEnterprise Plusプランへのアップグレードに、お客様から大きな関心が寄せられています。本日の発表により、お客様はBox AIを企業全体に展開することがさらに容易になると同時に、新たなイノベーションを提供することで、Box AIからさらなる価値を得ることができるようになります」と述べている。

Box AI for DocumentsおよびNotesの無制限クエリは、現在Enterprise Plusプランに含まれており、Box AI for Hubsも一般提供されると同時に適用される。対象の顧客は、Boxの管理コンソールにアクセスして組織向けにBox AIを有効化できる。

また、Boxでは、GPT-4o連携、対応ファイル形式の追加、Box AI for Metadata APIの各機能を、BoX AIに拡充すると発表した。これらは今年後半にリリースする予定。

BoxはBox AIに新しいGPT-4oモデルの実装を計画しており、GPT-4oによりBox Hubsでより質の高い回答を実現し、さらに20を超える言語に対応するための高度な機能を提供する。この計画された連携により、Box Hubsのユーザーは、マルチモーダルな理解、倫理的で繊細なコンテンツの取り扱い、タスクに応じた調整など、テキスト関連の機能強化のメリットを享受できるとしている。

また、Boxは画像ファイル形式に対して、自然言語でのクエリをサポートする。これにより、Boxに保存されている画像について具体的な質問をできる。さらなるサポートには、スプレッドシート上のクエリを実行可能なコマンドに変換して正確なデータ分析を行うことや、大規模な構造化データセットとのやり取りを簡素化すること、インサイトの生成を加速することなどが含まれる。

新しいBox AI for Metadata APIは、開発者がカスタムアプリケーションとBox AIを統合できる。これにより、ドキュメントから重要な情報を幅広く自動的に抽出できる。Boxのワークフロー自動化ツールと組み合わせることで、ファイルのメタデータに基づいてプロセスを自動化し、非構造化コンテンツから重要なフィールドを抽出し、Salesforceなどの外部アプリケーションに情報を保存できる。

Box Hubsなどの製品に対するGPT-4oへのアクセス、およびBox AIでの画像やスプレッドシートなど新しいファイル形式のサポートは、今年後半に利用可能となる予定。これらはEnterprise Plusプランに含まれる。

Box AI for Metadata APIは、現在Enterprise Plusプランの顧客向けにベータ版として提供されている。価格は正式リリースに近づいた時点で発表する。また、コアのBoxアプリケーション内での他のBox AI Platform APIコールやエンドユーザーのメタデータクエリに関する価格も同時に発表するとしている。

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