ユーロ圏銀行の資本バッファー、削減ではなく引き上げを=ECB

[フランクフルト 28日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は28日、過去最高の銀行利益と先行き不透明感を踏まえ、ユーロ圏諸国は銀行の資本バッファーを削減すべきではなく、一部の銀行については引き上げるよう求めた。

ECBは声明で「理事会は各国当局が資本バッファー要件の引き上げを計画していることを支持する」と表明した。

一部の国では不動産が依然として過大評価され債務も高水準にあるとして、各国当局は銀行が損失を吸収するためのバッファーを維持すべきと訴えた。

ユーロ圏の銀行はECBへの預金で記録的な金利を得たことなどから利益が過去最高水準となっており、現在の資本要件を上回る資本を有していると指摘した。

「現在の銀行セクターの状況はプロシクリカルのリスクを抑制している」とし、このため「脆弱性に対処しマクロプルーデンス政策の余地を拡大するために、一部の国では利用可能な自己資本バッファーの要件をさらに引き上げることが引き続き望ましい」とした。

現在はオランダのカウンターシクリカル資本バッファーが総資産の2%と最も高い。ドイツは0.75%、フランスは1%となっている。

ECBはまた住宅ローン融資の抑制を維持することも支持した。

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