被告に懲役20年の判決 博多駅前ストーカー殺人

JR博多駅前で、元交際相手の女性を刺殺したとして殺人などの罪に問われている男の裁判員裁判で、福岡地裁は28日、懲役20年の判決を言い渡しました。

冨田敦史裁判長「主文、被告人を懲役20年に処する」

寺内被告は、まっすぐ前を見つめたまま、判決を聞いていました。

起訴状などによりますと寺内進被告(32)は去年1月、福岡市のJR博多駅前の路上で、元交際相手の川野美樹さん(当時38歳)を包丁で複数回刺し殺害したとして、殺人やストーカー規制法違反などの罪に問われています。

これまでの裁判で検察側は懲役30年を求刑し、弁護側はストーカー規制法違反については無罪であるなどとして、懲役17年が相当と主張していました。

福岡地裁で開かれた判決公判で冨田敦史裁判長は、「恋愛や怨恨の感情を充たす目的で被害者ににつきまとった」としてストーカー規制法違反についても有罪とし、別の傷害事件と合わせ、懲役20年の実刑判決を言い渡しました。

その後、裁判長は「伝えておきたいこと」として、こう語りかけました。

「寺内さんの反省の言葉は表面的なものでした。これから生涯をかけて向き合い、被害者に償ってください」

今回懲役20年という量刑について裁判長は、「犯行は短絡的かつ身勝手と言わざるを得ず、厳しい非難は免れない」としました。

検察側は懲役30年を求刑していましたが量刑が軽くなったことについては、同じような事件の判決は懲役10年〜22年ほどであること被害者が1人であること計画性が認められないことなどを踏まえ、懲役20年としました。

弁護士によりますと、寺内被告は「自分がやったこととして当然のこと」と話し、量刑を受け入れていた様子だったということです。

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