「新紙幣への対応、どうしよう」悩むTKG食堂 券売機のシステム交換に25万円...路面電車&バス会社は260台の両替機に2000万円かけ対応【岡山】

20年ぶりとなる新紙幣の発行まで1週間を切りました。金融機関や飲食店ではスムーズな切り替えに向け準備が進んでいます。

一方で券売機を置いている飲食店などでは負担感から交換を見送る店もあり対応は分かれています。

7月3日に迫った新しい紙幣の発行、さまざまな場所で対応が進んでいます。岡山市の両備グループでは、市内を運行する路線バスと路面電車の両替機を新紙幣に対応させました。

(岡山電気軌道 岡本拓也さん)
「(路面電車は)1台当たり2つ、路線バスは1台当たり1つなので台数が多くなればなるほど両替機の交換も必要」

両替機の数は合計約260台。その全てを2000万円ほどかけて新紙幣に対応させたといいます。新紙幣発行を前に準備万全ですが…

(瀬戸大輝記者)
「こちらの運賃箱は新紙幣に対応したため、夏目漱石の1000円札は使えなくなりました」

新紙幣に対応するソフトウェアの仕様によるもので、古い紙幣は運転手が両替・交換して対応するとしています。

券売機を置く食堂の対応は?

一方、岡山県美咲町のたまごかけご飯専門店「食堂かめっち。」では…

(食堂のスタッフ)
「当店ではこちらの券売機で食券を事前に買ってもらうシステムです」

ーこの券売機は新紙幣に対応しているんでしょうか。

(食堂のスタッフ)
「対応してないです。対応するための部品に費用がかかるということなので…」

券売機のシステム交換にかかる費用は約25万円。国からの補助金などもなく、交換を見送ったといいます。

(食堂かめっち。 竹内弥生店長代理)
「新紙幣を持ったお客様がどのくらいいるのか予想ができないので、今は一旦見送りでいいかなと」

日本銀行岡山支店によりますと、前回は1年間で約6割が新紙幣に差し替わったということです。ATMの更新も進み、中国銀行・トマト銀行、おかやま信用金庫ではすでに対応が完了した、あるいは今月中に終えるとしています。

新紙幣の発行開始を間近に控えた今。券売機を交換しない食堂かめっち゜はどうするのでしょうか。

(記者)
「もし新紙幣しかないとなった場合には、カウンターで旧紙幣と交換してもらえるということです」

しかし、従業員2人から3人で営業する小規模な店ならではの不安もあるといいます。

(食堂かめっち。 竹内弥生店長代理)
「回転が早い店なのでお札の対応に手を取られると少し困る」

今後は夏休みの売り上げや客の新紙幣使用率などをみながら、券売機の交換を考えるということです。負担感は決して小さくなく、どの店でも一斉に新紙幣対応、とはいかないようです。

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