国連広報センター所長・根本かおるさんと、お笑いタレントのアキナに話を聞きました

国連広報センター所長・根本かおるさん×お笑いタレント・アキナが対談海とさかなをきっかけにSDGsを考えてみよう

全国41紙のリビングネットワークで展開中の「さかなをたべよう」キャンペーン。さかなを知りおいしくいただくことは、SDGsの目標達成につながるアクションでもあります。5月31日~6月2日に大阪で開催された、チーム関西主催のSDGsを考えるイベント「Warai Mirai Fes 2024 ~ Road to EXPO 2025 ~」。シンポジウムに出演した国連広報センター所長・根本かおるさんと、お笑いタレントのアキナの2組に話を聞きました。

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根本かおるさん(写真中央)

東京大学法学部卒。テレビ朝日を経て、米国コロンビア大学大学院で国際関係論修士号を取得。UNHCRにて、アジア、アフリカなどで難民支援活動に従事。WFP広報官、国連UNHCR協会事務局長などを歴任後、2013年8月より現職

アキナ

山名文和さん(写真左/1980年滋賀県生まれ)と秋山賢太さん(同右/1983年兵庫県生まれ)のコンビで2012年に結成。2017年に「NHK新人お笑い大賞」大賞を受賞、「キングオブコント2017」「M-1グランプリ2020」ファイナリスト

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若い世代から生活に根づきはじめているSDGs

【根本さん】(以下「根本」) ある調査では、SDGsについて、9割以上の人が「知っている」と回答するなど、日本ではかなりSDGsについて浸透しつつあると感じています。特に若い世代の意識が高まっていて、マイボトルを持参したり、ファッションにアップサイクルを取り入れたりと、普段から当たり前に実践している人も増えているようですね。

【アキナ・山名さん】(以下「山名」) 漫才でも「いやSDGs やな!」みたいなツッコミでウケたり、SDGsをテーマにしたネタがあったり、以前と比べるとかなり広まったなぁと思います。

【アキナ・秋山さん】(以下「秋山」) 3歳の娘がいるんですけど、子ども向けのSDGsの番組を見て覚えた歌を口ずさんだりしていますよ。テレビの影響力というのもすごいですよね。

さかなを食べることが海を守ることにつながる

【根本】 魚などの水産物は、もともと人の手が入らなくても再生産されるサステナブルな資源なんです。日本では、さまざまなルールのもと、適切に水産資源を管理したり、養殖を行ったりしているので、そうした背景を持つさかなを選んで食べることは、SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」につながっているんですよ。

【山名】 でも、最近の若い人は、あんまりさかなを食べないですよね。先日、後輩に聞いたら「人生でサンマを数えるほどしか食べたことがない。焼き方も知らない」って。びっくりしました。

【根本】 さかな自体がとれなくなり、値段も上がっていますよね。そうした漁獲量減少の対策にもつながる、「藻場」の再生に取り組んでいる自治体が増えているんですよ。

【秋山】 藻を増やすといいことがあるんですか?

【根本】 藻やわかめを育てると、それを食べるさかなが増えるので海の生態系が保てます。さらに、光合成によって二酸化炭素を吸収してくれて気候変動対策にもなるということで、地球にとってダブルでいいことなんですよ。

身近なさかなをきっかけに地球環境に思いをはせて

【根本】 最近は、未利用魚といって、形が悪かったり、水揚げ量が少なかったりといった理由で廃棄されているさかなを、おいしく食べるという取り組みも盛んです。飲食店で食べられるほか、ネット販売で手に入れることも。知名度の高いさかな以外に目を向け、食卓に取り入れることも、海の豊かさを守るアクションの一つですね。

【秋山】 僕はさかなをキレイに食べられないので、ちょっと苦手意識があります。山名は上手なんですよ。

【山名】 僕が食べたら、頭と骨しか残りません。子どものころ両親に「さかな食べるの上手いなぁ」ってほめられたのが、うれしかったんですよね。

【根本】 すばらしいですね! 資源を大事にすることはSDGsの目標12「つくる責任つかう責任」にもつながります。さかなや海藻など食卓の話題をきっかけに、海を守ることやSDGsについて、家族で話してみるのもいいかもしれませんね。

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