国スポ令和17年招致の決議可決 三重県議会本会議、1人が反対

【国民スポーツ大会の県内開催を求める決議案を可決した本会議=県議会議事堂で】

 三重県議会は28日の本会議で、国民スポーツ大会(旧国民体育大会)と全国障害者スポーツ大会を令和17年に県内で開くよう求める決議案を、46対1の賛成多数で可決した。県は決議を踏まえ、本格的な招致活動に着手する見通し。

 決議案は、新政みえ▽自民党▽公明党▽草莽―の10人が提出。県内開催について「スポーツの振興や郷土への愛着、地域の絆づくり、共生社会の実現のためにも極めて意義深い」と明記した。

 一方、財政負担などの課題から、日本スポーツ協会が大会の在り方に関する見直しの議論を進めていることにも言及。見直しを求める県民の声を踏まえて「県議会でも議論が必要」と記した。

 稲森稔尚議員(草の根運動いが、3期、伊賀市選出)が反対。三重とこわか国体・とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)の開催を求めた平成23年10月の決議は全会一致で可決していた。

 稲森議員は本会議の反対討論で「国スポはスポーツ界の大型公共事業」とした上で「廃止するという選択肢を排除してはならない。次世代の県民に大きなツケを残す」などと訴えた。

 一方で、吉田紋華議員(共産党、1期、津市)は「条件付きでの賛成」を表明。「県民の利益を最大とし、不利益が最少となるよう、県議会でも議論を尽くすべき」などと主張した。

 県は県内開催の内々定を得るための要望書を、日本スポーツ協会に提出する方針。県スポーツ推進局は「なるべく早期に要望書を提出できるよう調整を進めたい」としている。

 国スポを巡っては、一見勝之知事が昨年11月の県議会本会議で、令和17年の県内開催を目指すと表明。日本スポーツ協会は招致の要望を受けるに当たり、議会の決議を要件としている。

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