壱岐市議会 佐賀・玄海町の核ごみ文献調査受け 処分場反対の意見書可決

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向け、第1段階となる文献調査が佐賀県玄海町で始まったことに対し、壱岐市議会は28日の定例会6月会議の最終本会議で、玄海町に処分場を設置しないよう求める意見書を可決した。
 この問題を巡る壱岐市議会の意思表明は初めて。意見書は近く、佐賀県の山口祥義知事と玄海町の脇山伸太郎町長に送付する。
 壱岐市南部は九州電力玄海原発(玄海町)から半径30キロ圏内に入る。意見書は「海を挟んで『地層処分施設』設置の可能性が出てきたことに大変困惑している」とした上で「『核のごみ』を安全に保管しておく技術が確立されていない中、市民の安心・安全な暮らしが大きく影響を受けることは必至」と指摘。漁業や観光などへの風評被害の影響は計り知れず、処分場設置は容認できないとした。文献調査の次の段階となる概要調査を行わないことや、原発行政において周辺自治体への影響も考慮した判断も求めた。
 最終本会議では、このほか総額9億300万円の本年度一般会計補正予算など議案6件と議員発議の議案1件、現行の健康保険証の存続を求める陳情を可決、採択し散会した。

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