長崎県が安全手引きの整備へ こども医療福祉センターで5月、車いすの男児がけが

 長崎県立こども医療福祉センター(諫早市)を利用していた男児の車いすを職員が誤って転倒させ、男児がけがをした問題で、県は24日、安全対策マニュアルの整備などの再発防止策を明らかにした。
 定例県議会一般質問で、白川鮎美議員(改革21)に新田惇一福祉保健部長が答えた。
 県障害福祉課によると、男児は5月に同センターのショートステイを利用。車いすで院外を散歩中、介助の職員が車いすのストッパーをかけずに手を離したため、斜面を数メートル下って溝にはまり、転倒した。
 新田部長は「障害のある方が利用する施設としてあってはならない」と答弁。車いすの介助をしながら移動する際の安全対策マニュアルを整備する方針を示した。職員は別の利用者に対応して気を取られ、車いすから手を離しており、介助の際に目を離さないなどの対応を改めて徹底するとした。院外散歩のコースも見直す。
 県は同日、同センターの人事も発表。松尾光弘所長は30日付で退職。副所長兼医療局長の小柳憲司氏が7月1日付で所長に就く。県は松尾氏の退職について、問題の引責ではないと説明している。

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