「絶対に自分の責任です」角田裕毅、F1第11戦スプリント予選はスピンを喫し反省… フリー走行9番手には「勇気づけられただろう」と専門メディア

F1第11戦のオーストリア・グランプリが開幕し、6月28日にはスプリント予選が実施され、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は14番手につけている。

先週のスペインGPでは、それまでの好調ぶりから一転して初日から苦戦を強いられた挙句に19位で決勝を終えた角田は、巻き返しを誓ったレッドブル・グループのホームサーキットでのレースウィークエンド、今週末唯一のフリー走行(FP)で30周回を重ねて1分6秒579という全体9番目のベストタイムを計測した。

英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』はこの最初のセッションの後、「角田はステアリングコラムの違和感に対して不満を漏らすなど難しいセッションだったにもかかわらず、9番手という結果に勇気づけられたことだろう。ダニエル・リカルドは16番手に終わるも、チームとして様々なスペックでプログラムを完了できたことは、彼らにとって励みとなったはずだ」とRBに対してポジティブな見解を示していた。

そして迎えたスプリント予選、角田はSQ1を15番手で辛うじて突破したが、2回目のアタックの際にターン9でオーバースピードによりスピンしてコース外に飛び出してしまう。続くSQ2ではフロアにダメージを負った状態が走行の妨げとなり、14番手に止まることとなった。

初日を終えた後、彼はチーム公式サイト等を通して、「今日は満足できませんでした。SQ1の2回目の走行中、最後のセクターでスピンしてしまい、SQ2の走行に悪影響を及ぼすことになりました。ターン7で限界を少し超えてしまい、フロアにダメージを与えてしまいました。スピンした時ではなく、すでにそこでダメージを受けていたと思います。これでドライビングの調整をする余裕がなくなり、理想的な状態でSQ2に臨めませんでした。残念ですが、これは絶対に自分の責任です。反省して前進します」と語っている。

自身のSNSでも「少しトリッキーな週末のスタートになりましたが、今夜集中して取り組めばペースは上げられるでしょう」と投稿した角田。一方、RBのレーシングディレクターであるアラン・パーメインは「厳しいスプリント予選だった」と振り返ながら、日本人ドライバーについては「コースアウトによるフロアのダメージがなければ、ユウキはもっと上位にいけたと確信している。今夜修理し、明日は完璧な車を用意する」とのコメントを残した。
各国専門メディアの報道では、ブラジルのF1専門サイト『F1MANIA』が「角田は14番手、リカルドは16番手と、RBにとってこの金曜日は最良の1日とはならなかった」、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』も「ファエンツァのチームにとっての難しい金曜日」と、どちらもネガティブに伝えている。 フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』も、「日本人ドライバーはコースアウトしてしまい、そのことがパフォーマンスに大きな影響を及ぼした」と指摘したが、「これで彼はスプリント予選で14番手に止まったものの、RB はスペインGPでの困難な状況から抜け出すために問題を解決しようとしている」と、先週よりは状況が改善しつつあるとも示唆した。

構成●THE DIGEST編集部

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