「まさか!?」人気作の主演級ズラリ…アニメ『鬼滅の刃』が誇る「ちょい役なのに豪華すぎる」声優陣

『鬼滅の刃 柱稽古編』(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

吾峠呼世晴さんの漫画『鬼滅の刃』を原作としたアニメ『鬼滅の刃 柱稽古編』が、6月30日放送の第八話でいよいよ最終回を迎える。

敵・味方問わず多くの魅力的なキャラクターが登場する『鬼滅の刃』。アニメ新シリーズの制作が発表されるたび、初登場となるキャラを担当する声優にも注目が集まるが、鬼殺隊の伝令役である鎹鴉(かすがいがらす)やモブ隊士に、意外すぎる豪華声優が使われることで毎シーズン話題を集めてきた。

今回の『柱稽古編』でもファンを驚かせたエピソードがあり、第六話「鬼殺隊最強」では、不死川玄弥の鎹鴉役として、『ドラゴンボール』のフリーザ役や『それいけ!アンパンマン』のばいきんまん役で知られる中尾隆聖さんが出演。エンドクレジットに中尾さんの名前が並んだことで、Xではトレンド入りを果たした。

このように豪華声優が惜しみなく出演するアニメ『鬼滅の刃』。今回は『柱稽古編』終了の前に、これまでのエピソードに“ちょい役”で登場した豪華すぎる声優たちを見ていきたい。

■名もなき隊士の中には主役級の声優も

『柱稽古編』で柱の厳しい訓練に耐えていた隊士は、大切な鬼殺隊の一員だ。彼らは役名を与えられていないキャラが大多数で、いわゆるモブのようなポジションでもあるが、そんな隊士たちにも人気声優を起用するのがアニメ『鬼滅の刃』だ。

ネットで「豪華すぎるモブ」と話題となったのは第三話「炭治郎全快!! 柱稽古大参加」。このエピソードは前シリーズ『刀鍛冶の里編』で炭治郎がおった傷が癒え、ようやく宇髄天元のもとで本格的な稽古がスタートするというもの。そこでともに稽古に参加したモブの隊士役の声を務めたのが、『【推しの子】』アクア役の大塚剛央さんや、『あんさんぶるスターズ!』深海奏汰役の西山宏太朗さん、『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズで一十木音也役を務める寺島拓篤さんと、今をときめく声優たちだらけ。声を聞き、ピンときた視聴者は多いのではないだろうか。

さらに第五話「鬼を喰ってまで」でも、『ヲタクに恋は難しい』二藤宏嵩役の伊東健人さん、『炎炎ノ消防隊』森羅日下部役の梶原岳人さん、映画『THE FIRST SLAM DUNK』木暮公延役の岩崎諒太さんなどの名前がズラリ。あまりの豪華メンバーに衝撃を受けるばかりだ。

全てを紹介したいくらいだが、このほかにも人気アニメでメインキャラを演じる声優が多数出演。中には複数エピソードに出演した外崎友亮さんや、5話〜6話と連続出演した石毛翔弥さんのような声優もおり、今後のシリーズでの再登場にも期待が持てそうだ。

■鎹鴉だけで1本作ってほしい!鳴き声のみの役も有名声優

鬼殺隊の伝令役として働く鎹鴉のキャストも視聴者を驚かせてきた。冒頭でも述べた不死川玄弥の鎹鴉・榛を演じた中尾隆聖さんの声が聞こえた瞬間、テンションが上がったという視聴者は筆者だけではないだろう。

もう一人、鳥肌ものだったのが第一話「鬼舞辻無惨を倒すために」で産屋敷耀哉の鎹鴉を演じた速水奨さん(『BLEACH』藍染惣右介役など)だ。ぎこちない言葉の鎹鴉が多い中、お館様の鎹鴉は人間並の流暢さ。圧倒的な重厚感を放ち、この鴉だけでも戦えるのでは? と思うほどのカッコよさだった。

これまで鴉役として登場したのは、竈門炭治郎の鎹鴉・天王寺松衛門の山崎たくみさん(『機動武闘伝Gガンダム』ジョルジュ・ド・サンド役など)、煉獄杏寿郎の鎹鴉・要の千葉進歩さん(『銀魂』近藤勲役など)、時透無一郎の鎹鴉・銀子の釘宮理恵さん(『鋼の錬金術師』アルフォンス・エルリック)、甘露寺蜜璃の鎹鴉・麗の堀江由衣さん(『物語シリーズ』羽川翼)と、主役級の実力派ばかり。発言の少ない鴉にこの大物をあててくるとは、『鬼滅の刃』恐るべしである。

また、『立志編』では名もない鎹鴉役として、『名探偵コナン』の高木刑事役などの高木渉さんや、『幽☆遊☆白書』の飛影役でも知られる檜山修之さんが声を担当しファンを驚かせた。

意外なのは、チュン太郎こと我妻善逸にあてがわれた雀役を演じる石見舞菜香さん。「チュン」しか言わない雀だが、『フルーツバスケット』の本田透役や『【推しの子】』の黒川あかね役などを務める石見さんだからこそのかわいさを見せている。

まだ判明していない鎹鴉は、冨岡義勇の寛三郎、悲鳴嶼行冥の絶佳、不死川実弥の爽籟、伊黒小芭内の夕庵、胡蝶しのぶの艶、栗花落カナヲの五十鈴など。原作ではあまり発言シーンはないが、大物声優の登場に期待したい。

■鬼や町人も?過去シーズンのちょい役にも大物がいた

鎹鴉や隊士以外にも、随所で驚く配役がされていた。たとえば『立志編』の浅草で、炭治郎に山かけうどんを食べさせたうどん屋主の豊さん。個性的なキャラながら一瞬しか登場しないこの人物を演じたのは、映画『AKIRA』で金田正太郎役を務める岩田光央さん。まさかの大物だが、出演は本当にこの一瞬のみだった。

さらにアニメ版『無限列車編』では、お弁当を売る少女役に『五等分の花嫁』中野五月役などの水瀬いのりさん、『遊郭編』では宇髄天元の使い忍獣・ムキムキねずみ役に木村昴さん(『ドラえもん』ジャイアンなど)が登場。セリフが「ムキッムキッ」のみの鼠に木村さんとは、なんと贅沢なことだろうか。

瞬殺される下級鬼たちにも豪華声優が起用されている。『立志編』で炭治郎が初めて出会ったお堂の鬼もそうだ。刀を持たない炭治郎にも負けるこの下級鬼を演じたのは、テレビアニメ『SLAM DUNK』流川楓役や『新機動戦記ガンダムW』ヒイロ・ユイ役などの緑川光さん。一発退場でいいのかと疑問すら湧く配役である。

その後の最終選別で手鬼を演じたのは、『ジョジョの奇妙な冒険』DIO役などで知られる子安武人さん。ラスボスではあれど、かなり贅沢な配役である。息子の子安光樹さんは『柱稽古編』でモブ隊士を演じており、親子揃って「鬼滅」に出演したことになる。

通称「パワハラ会議」も、驚きの声優が登場して視聴者を沸かせた場面だ。下弦の鬼は名前があり下級鬼よりレベル的には上だが、壱・魘夢と伍・累以外は作中で戦闘も描かれておらず、パワハラ会議で鬼舞辻無惨に瞬殺されるため、ほぼモブ的なポジション。

にも関わらず、声優は弐・轆轤が楠大典さん(『ONE PIECE』ウルージ役など)、参・病葉が保志総一朗さん(『機動戦士ガンダムSEED』キラ・ヤマト役など)、肆・零余子が植田佳奈さん(『魔法少女リリカルなのは』シリーズの八神はやて役など)、陸・釜鵺がKENNさん(『宇宙兄弟』南波日々人役など)と非常に豪華で「すごい」の言葉以外出てこないレベルだ。

どのシーズンにも、必ず端役で有名声優が登場している『鬼滅の刃』。いい意味で「声優の無駄使い」と言われるのも納得である。本編はこれからクライマックスに差し掛かっていくが、次はどんな大物声優が登場するか楽しみで仕方がない。

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