中国西蔵の自然保護区、壮観な野生動物の大移動始まる

中国西蔵の自然保護区、壮観な野生動物の大移動始まる

羌塘国家級自然保護区内を移動する雌のチルー。(5月10日、ドローンから、羌塘=新華社記者/姜帆)

 【新華社北京6月29日】中国西蔵自治区の羌塘(チャンタン)国家級自然保護区では毎年5~7月、国家1級保護動物のチルー(チベットカモシカ)が繁殖期を迎える。数十万頭の雌が保護区内の繁殖地へ移動し、出産後に元の生息地に戻る。

中国西蔵の自然保護区、壮観な野生動物の大移動始まる

17日、羌塘国家級自然保護区内で母乳を飲む赤ちゃんチルー。(羌塘=新華社記者/費茂華)

 チルーの大移動は個体群の大幅な増加に伴い、オグロヌー、トナカイと並んで「世界で最も壮観な有蹄類の大移動」と呼ばれるようになった。アフリカでは毎年7~9月になると、数百万頭のオグロヌーやシマウマ、レイヨウなどの草食動物が大群を成し、水源や草を求めてタンザニアのセレンゲティ国立公園から「野生動物の天国」と呼ばれるケニアのマサイマラ国立保護区へと向かう大移動を繰り広げる。

中国西蔵の自然保護区、壮観な野生動物の大移動始まる

16日、羌塘国家級自然保護区内の草原で餌を探すチルー。(羌塘=新華社記者/費茂華)

 羌塘国家級自然保護区は「野生動物の楽園」と称され、国家1級保護野生動物が10種、国家2級保護野生動物が21種生息している。

中国西蔵の自然保護区、壮観な野生動物の大移動始まる

17日、羌塘国家級自然保護区内で生まれたばかりの赤ちゃんチルー。(羌塘=新華社記者/姜帆)

 西蔵自治区生態環境庁が5日に発表した報告によると、自治区に生息するチルーの個体数は30万頭余りにまで増え、うち大部分が同保護区に集中している。マサイマラ国立保護区に移動する野生動物の数に比べると大きな差があるものの、標高4500メートルを超える草原や草地、高標高で寒冷な荒漠地帯にある羌塘でのチルーの大移動は、オグロヌーをはじめとするマサイマラへの大移動に十分匹敵すると言える。

中国西蔵の自然保護区、壮観な野生動物の大移動始まる

13日、羌塘国家級自然保護区内を移動するチルー。(羌塘=新華社記者/費茂華)

 マサイマラも羌塘も数少ない野生動物の天国、楽園であり、今後も壮観な大移動が続くよう動物たちの保護に力を入れている。(記者/費茂華)

中国西蔵の自然保護区、壮観な野生動物の大移動始まる

羌塘国家級自然保護区内で、移動中の雌のチルーを追いかけるオオカミ。(資料写真、羌塘=新華社配信/達瓦多吉)

中国西蔵の自然保護区、壮観な野生動物の大移動始まる

ケニアのマサイマラ国立保護区で、餌を探す移動中のオグロヌー。(資料写真、マサイマラ=新華社記者/張晨)

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ケニアのマサイマラ国立保護区で、餌を探す移動中のオグロヌー。(資料写真、マサイマラ=新華社記者/潘思危)

中国西蔵の自然保護区、壮観な野生動物の大移動始まる

ケニアのマサイマラ国立保護区で移動中のオグロヌー。(資料写真、マサイマラ=新華社記者/費茂華)

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ケニアのマサイマラ国立保護区で移動中のオグロヌー。(資料写真、マサイマラ=新華社記者/費茂華)

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