19歳アマ・荒木優奈が首位2打差で4位浮上 大歓声浴び「テレビで見ていた世界」安全策で逆転Vへつなぐ

 18番、ティーショットを打つ荒木優奈(撮影・伊藤笙子)

 「女子ゴルフ・資生堂レディース・第3日」(29日、戸塚CC西C=パー72)

 8位から出たアマチュアの荒木優奈(19)が5バーディー、1ボギーの68をマーク。通算7アンダーで、首位と2打差の4位に浮上した。昨年までナショナルチームに所属し、日本タイトルも持つ実力者だが、昨年の最終プロテストで涙の予選落ち。再起を図るトップアマが、2019年の古江彩佳以来となる史上8人目のアマチュア優勝を目指す。9アンダーの堀琴音が単独首位。2週連続Vを狙う小祝さくらが桑木志帆と並び、1打差の2位に続いた。

 もしやを思わせるアマチュアの一打一打に、ギャラリーが大きく沸いた。荒木自身11度目のレギュラーツアー出場で、初の優勝争いは首位と2打差。最終18番では下りの1.5メートルのバーディーパットを沈めて大歓声を浴びると、うれしさと恥ずかしさが入り交じったように、口元を手で押さえながら笑った。

 「面白いです。自分のプレーで歓声が上がるのが気持ち良いというか、今までこんな上位にいたことがない。テレビで見ていた世界なので」

 実力に疑う余地はない。22年から2年連続のナショナルチームに選ばれ、馬場咲希とは元同僚。日章学園高で3年間クラスメート、先にプロになった菅楓華はルーキーシーズンでリランキングを突破。名のあるライバルたちとアマチュア時代から競い合い、22年には日本ジュニアを制した。

 しかし、合格を有力視されていた昨年11月の最終プロテストは、体調不良が響いてまさかの予選落ち。大粒の涙を流したが、その後は地元・熊本の玉名のゴルフ場で月に2、3度、キャディーのアルバイトをしながら再起を図った。

 トップアマでも、お客さんからマネジメントを学ぶことがあるようだ。それは今週のグリーンの手前から攻めるという戦略にも生きている。「明日も前から安全に。チャンスが来たら、入れるみたいな感じのゴルフで」。安全策が逆転Vにつながるなら、今年は2次から受ける予定のプロテストも不要だ。

 ◆荒木優奈(あらき・ゆうな)2005年6月17日生まれ。熊本県玉名市出身。父親の影響で4歳でゴルフを始め、玉名中3年の20年に全国中学校ゴルフ選手権春季大会を制覇。21年には宮崎・日章学園高に進学し、九州の大会を中心に数々のタイトルを獲得。22年にはナショナルチーム入りし、同年8月の日本ジュニアでは同級生の菅楓華とのプレーオフを制す。23年11月の最終プロテストは予選落ちとなり、受験2度目となる今年のテストで合格を目指す。156センチ。

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