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「ヤクルト6-1阪神」(29日、神宮球場)
奏で続けている快音が、復調気配が本物であることの証しだ。阪神・佐藤輝明内野手が今季最長となる5試合連続の安打をマーク。チームの白星に直結することはなかったが、「ヒットが続いているのはいいことかなと思います」と確かな手応えを示した。
5点差を追う六回だ。2番手・星にあっさり2死となったが、何とか流れを変えるべく打席に向かった。追い込まれてからフルカウントまで持ち込んで、フォークに反応。鋭い打球を右前に弾ませて、5試合連続でともしたHランプに塁上でパンッと両手を打ち鳴らした。
敵軍先発は2年3カ月ぶりの神宮登板となった奥川だ。「すごい球が強くて、すごいいいピッチングだったと思います」。手ごわい相手だったが第1打席からしっかりとボールは見えていた。
二回1死二塁、初球から2球連続で来たフォークに、バットは空を切った。あっという間に追い込まれたが、荒れ気味だった奥川のボールを見極める。フルカウントからのスライダーにバットは動くもきっちり止めて、四球を選んでチャンスをつないだ。
1軍再昇格以降、本塁打こそ生まれてないが、コンスタントにヒットを重ねる。直近5試合では17打数7安打、打率・412、4打点。岡田監督は今週明け、フリー打撃で逆方向の内野スタンドへ詰まったファウルが飛ばないように、“ピーピー禁止”を発令した。この日の試合前練習での佐藤輝の打球は、該当する当たりはほぼ皆無。ただ、右翼スタンドへは打球を度々放り込み、警備員に注意喚起の笛を“ピーピー”と吹かせて、好調な打棒を印象づけた。
神宮の三塁側を埋めた虎党の声を浴びながら歩を進めた敗戦の帰路に、背番号8が決意を残した。「もっともっと良くなるように頑張ります」。“上昇宣言”は必ずチームに白星をもたらすはずだ。