広瀬アリスは美脚の電波人間に!人気女優たちの「フレッシュすぎる」変身特撮ヒロイン時代

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『仮面ライダー』シリーズや『スーパー戦隊』シリーズでは、これまでたくさんの俳優が変身ヒーローを演じ、その後芸能界で大活躍している。もちろん女性のヒーロー……いわゆる“特撮ヒロイン”も登場しているが、今や国民的人気女優として名を馳せる彼女たちの初々しい姿が見られる貴重な作品も多くある。

そこで今回は、『仮面ライダー』シリーズや『スーパー戦隊』シリーズで、「変身特撮ヒロイン」を演じた女優たちを紹介。作中での彼女たちの活躍を見ていこう。

■昭和ヒロインのリ・イマジネーション…電波人間タックル・広瀬アリス

2009年公開の『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』で、電波人間タックル・岬ユリコ役を演じたのは広瀬アリスさんだ。

今年の春ドラマ『366日』(フジテレビ系)でもヒロインをつとめるなど、目覚ましい活躍を見せている広瀬さんだが、本作に出演していたのは14歳のとき。同年「ミスセブンティーン2009」でグランプリを受賞したばかりで、少しあどけなさも感じられる。

広瀬さんが演じた岬ユリコは、昭和ライダーである『仮面ライダーストロンガー』に登場した電波人間タックル・岬ユリ子(子が漢字表記)のリ・イマジネーション的存在である。オリジナルの“ユリ子”がクールなお姉さんだったのに対して、広瀬さんが演じた“ユリコ”は「士にはやっぱりユリコがついてないとね」と言い、井上正大さん演じる仮面ライダーディケイド・門矢士のあとを勝手について行くような天真爛漫な少女だった。

戦闘では「電波人間! タックル!」という掛け声で、美しい赤と黄色の“てんとう虫”モチーフのコスチュームに変身し、美脚を惜しみなく披露。電波エネルギーを衝撃波に変えて放つ“電波投げ”など、迫力の戦闘シーンも見どころだった。

デビュー間もない頃の作品をいわゆる“黒歴史”として封印する俳優さんも多いが、広瀬さんは事務所ホームページのプロフィール内に本作を記載している。些細なことかもしれないが、特撮ファンの筆者としては非常に嬉しく思えてならない。

■孫娘兼助手&2代目キョウリュウバイオレット・飯豊まりえ

次は、2013年放送の『獣電戦隊キョウリュウジャー』でキョウリュウバイオレット、弥生・ウルシェード役を演じた飯豊まりえさん。

当時、飯豊さんは『nicola』(新潮社)の専属モデルをしており、同年、同雑誌で9回表紙を飾るなど読者の圧倒的な人気を誇っていた。

『獣電戦隊キョウリュウジャー』では、声優の千葉繁さん演じるドクター・ウルシェードの孫娘兼助手として出演。テンションの高いおじいちゃんに対し、メガネに制服姿の冷静な孫という非常に面白いコンビぶりを見せてくれた。また弥生は、竜星涼さん演じる桐生ダイゴに対して密かに好意を寄せるキャラクターでもあり、乙女を感じさせる仕草にはキュンとさせられた。

当初は助手として登場した弥生だったが、中盤からドクターから獣電池とガブリボルバーを託され、2代目キョウリュウバイオレットとして変身し活躍する。ちなみに、バイオレットカラーの戦士はシリーズでも珍しく、史上2人目だった(1人目は2007年『獣拳戦隊ゲキレンジャー』ゲキバイオレット)。

そして飯豊さんは、2024年公開の映画『キングオージャーVSキョウリュウジャー』にも、弥生・ウルシェード・キョウリュウバイオレット役で出演。約10年ぶりのキョウリュウジャーメンバー集合でファンを喜ばせていた。

■シンケンジャーの姐御肌キャラ…シンケンピンク・高梨臨

ドラマ『恋がヘタでも生きてます』(日本テレビ系)や『あいの結婚相談所』(テレビ朝日系)、さらには2018年のNHK大河ドラマ『西郷どん』のふき役と、まさに“綺麗なお姉さん”の代名詞的女優・高梨臨さん。そんな高梨さんは、2009年放送の『侍戦隊シンケンジャー』でシンケンピンク・白石茉子役を演じている。

“天のモヂカラ”を使用し、シンケンピンクに変身する女性の侍・茉子。勝ち気なクールビューティーで、シンケンジャーのなかでも皆を引っ張る姐御肌キャラは、まさに彼女のイメージにピッタリな役だった。

高梨さんは、過去のインタビューにて、“幼少期は『美少女戦士セーラームーン』に登場するセーラーマーズに憧れており、茉子を演じるにあたって意識していた”と語っていたが、これを聞くと当時の視聴者もなるほどと納得する部分が多いのではないだろうか。

そして2019年には、『侍戦隊シンケンジャー』10周年ということで、自身のインスタグラムにシンケンピンクのお面をかぶった写真を投稿。今でも本作を愛する姿に、ファンからも多くの応援コメントが寄せられていた。

■宇宙から落ちてきた美少女…仮面ライダーなでしこ・真野恵里菜

最後は2011年公開の『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX』で、仮面ライダーなでしこ・美咲撫子役を演じていた真野恵里菜さんを紹介しよう。

当時、ハロー!プロジェクトで現役バリバリのアイドルだった真野さん。彼女が演じた撫子は、突如空から落ちてくる美少女で、見た目こそ可愛らしい女子高校生だが、その正体は“SOLU”という宇宙生命という役どころだ。

そのため撫子は、はじめは意思のない反射行動しかしていなかったが、福士蒼汰さん演じる如月弦太朗と交流していくうちに、徐々に感情を見せるようになる。その際、とぼけた演技をする真野さんは非常に可愛らしく魅力的であった。

そして、弦太朗と同じく「宇宙キター!」で、白い身体に青い複眼、頭部には猫耳のような突起がある仮面ライダーなでしこに変身。「タイマンはらしてもらうぜ!」と敵に戦いを挑み、元気かつコミカルな戦闘を繰り広げていた。

2021年、『仮面ライダーフォーゼ10周年キターッ!~青・春・再・会~、真野恵里菜スペシャルインタビュー』では、当時の握手会などでちびっ子から「なでしこ」と呼ばれ、それが非常に嬉しかったとも語っていた。本作は真野さんにとっても思い出深い作品となっているようだ。

今回は『仮面ライダー』シリーズや『スーパー戦隊』シリーズで変身ヒロインを演じた女優たちを紹介してきた。いずれのヒロインも非常に魅力的で、作中では男性ヒーローにも負けない活躍を見せていた。

放送・公開から10年以上経った現在も、続編の出演のみならずインタビューやSNSからも、その作品を忘れず愛している気持ちが伝わってくる。それは、いち特撮ファンの筆者としても非常に喜ばしいことである。

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