複合型公衆トイレに読書や喫茶スペース 中国内モンゴル自治区

複合型公衆トイレに読書や喫茶スペース 中国内モンゴル自治区

18日、フフホト市賽罕区如意和大街のバーが併設された「青城駅站」。(フフホト=新華社記者/王雪氷)

 【新華社フフホト6月30日】書店や喫茶室、バー、コンビニエンスストアにATM(現金自動受払機)などの機能を備えた公衆トイレは、市民や観光客にどのような体験をもたらすのか。中国内モンゴル自治区フフホト市の公衆トイレは見た目が斬新で、必要な機能が整っているだけでなく、読書や喫茶、買い物、休憩などもできる。

 このような複合型トイレは、フフホトで「青城駅站(えきたん)」と呼ばれる。青城はモンゴル語「フフホト」の漢語訳「青い城」に由来し、駅站はかつて人々が往来に利用した宿駅を意味する。

 呼倫北路の佳地苗圃公園でごみ収集所を改造して建てられた青城駅站は、通常の公衆トイレだけでなく「誰でもトイレ」や洗面所、母子室、障害者用設備、さらには閲覧室、スーパーマーケット、ドリンクバーなどが用意され、消臭システムや空気モニタリングシステム、顔識別型のトイレットペーパー自動供給機も備える。

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18日、フフホト東駅南広場の「青城駅站」。(フフホト=新華社記者/王雪氷)

 賽罕(さいかん)区浜河路の景苑小区(居住区)付近にある青城駅站は2階建てで、清潔に保たれた1階の公衆トイレは微香が漂い、2階の喫茶室では数人の観光客が中国の茶道「茶芸」を楽しんでいた。山西省から来た観光客は「歩き疲れたので青城駅站で休憩している。携帯電話の充電もでき、素晴らしい旅行体験だ」と語った。

 青城駅站は市街地の随所で目にすることができる。フフホトでは公衆トイレが長い間不足していたが、市政府が2017年にトイレ環境の全面改善に着手。「市街地で500メートル圏内に公衆トイレ」の目標を実現し、「10分以内にトイレを探せる」という人々のニーズを満たした。

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20日、フフホト市通道北路の「青城駅站」で清掃する作業員。(フフホト=新華社記者/王靖)

 青城駅站は屋外労働者の「シェルター」としての役割も担う。市は青城駅站のうち200カ所に屋外労働者サービスステーションを設置。電子レンジや給湯ポット、ウォーターサーバー、暖房器などを完備し、清掃員やタクシー運転手、配達員らに休息や採暖、避暑、水分補給、充電、食事などのサービスを提供している。

 多くの高規格で多機能なトイレを長期間運用できるよう、市は「商業がトイレを養う」運営モデルを模索。バーやレストラン、カフェなどとコラボする青城駅站も少なくない。玉泉区の五里営青城駅站では、中国建設銀行が設置するATMの賃料だけで駅站運営に必要な費用を賄うことができるという。(記者/王靖、王雪氷)

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20日、フフホト市通道北路の「青城駅站」に設けられたバリアフリー通路。(フフホト=新華社記者/王靖)

複合型公衆トイレに読書や喫茶スペース 中国内モンゴル自治区

16日、フフホト市賽馬場北街の「青城駅站」に設けられた母子室。(フフホト=新華社記者/王靖)

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