「出たくてたまらなかった選手の思いがつながった」J1アビスパ福岡・長谷部監督の〝神〟采配、途中出場コンビが4分後に決勝点

FC東京に勝利し、サポーターを背に撮影に応じた福岡・重見(撮影・安藤由華)

◆明治安田J1第21節・FC東京0―1福岡(30日、味の素スタジアム)
FC東京の堅いDFラインを破り、決勝点を導いたのは福岡の小田逸稀、重見柾斗のコンビだった。後半17分、長谷部茂利監督は佐藤、亀川に代えて重見、小田を投入。降雨でぬかるんだピッチに飛び出した2人の速い動きがチームのリズムを好転させた。

細かいパスが通るようになった同21分。小田が右サイドから持ち上がり、低いクロスを送る。それに反応した重見がニアサイドから飛び込んで右足で合わせた。2人がピッチに送り出されてわずか4分後だった。

22歳の重見はプロ初得点。「2人で入った時に(小田に)ニアに動くから見といてと言われた。本当にそれがうまくはまった。なかなかゴールを決められなくて焦りがあったが、ほっとした」と喜んだ。

選手起用が当たった長谷部監督は「どちらに点が転ぶか分からないところで得点できたのは、出たくて出たくてたまらなかった選手の思いがつながった(から)。そういう試合に持っていくことができたのが良かった」と胸を張った。

3月にホームで1―3の悔しい敗戦を喫したFC東京にアウェーで雪辱を果たした。2連勝の福岡は6戦負けなしで6位に浮上。長谷部監督は「全選手が守備のことを考えてプレーしている。少しずつチームが成長している」とさらなる浮上への手応えを示した。
(安田栄治)

© 株式会社西日本新聞社