J1アビスパ福岡、横浜Mの猛攻を守り抜き後半戦白星発進 奈良主将が長期離脱でチーム一丸

スタンドにあいさつする福岡イレブン(撮影・穴井友梨)

◆明治安田J1第20節・福岡2―1横浜M(26日、ベスト電器スタジアム)

体を張って相手の猛攻を守り抜く福岡の選手たちを見て奈良主将の言葉を思い出した。「これだけ全員でハードワークして守り切るチームはそんなに多くない。こういう勝ち方ができるのを誇りに思っていい」

前半終了間際、GK村上が飛び出してゴール前が不在となった大ピンチ。センターバック(CB)の宮が体を張ったスライディングでブロックした。「GKとCBが今日の勝利に大きく貢献した」と長谷部監督が気持ちを切らさずに守り切った守備陣をたたえた。

シーズン後半戦のスタートとなる横浜M戦を前にショッキングな発表があった。CBの奈良が左膝靱帯(じんたい)の再建手術を受けて全治10~12カ月と診断された。膝に不安を抱えながら誰よりも福岡の守備を体現し、クラブ初タイトルに導いた主将の魂を受け継ぐように気迫のこもったプレーで立ち向かった。

アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)2位の横浜Mの攻撃力に対し、福岡は最終ラインに5人を並べる組織的でコンパクトな守備で前線にボールを入れさせない。昨季のJ1得点王、アンデルソンロペスも田代が厳しいマークで封じた。

前半20分にザヘディがCKを頭で合わせて先制すると、後半にウェリントンも頭で追加点。1点を返されたが献身的な守備は変わらず、横浜M相手に初めてシーズン2勝を挙げた。出場15試合で7ゴール目のザヘディは「後半戦の最初でいいステップを踏めた」と歴史的な勝利の味をかみしめた。(向吉三郎)

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