KSK、統合データベース活用の新サービスをスタート

__基幹システム「住宅マネージャー」を展開するKSKが、統合データベース「データ・ウェア・ハウス」を活用する新たなサービスをスタートさせた。
散在するさまざまなデータを集約し、分析を可能にすることで、経営課題への迅速な対応を可能にするものだ。__

住宅事業者は、社内でさまざまなシステムを活用し、それぞれのデータを取り扱っている。住宅マネージャーのような基幹システムだけでなく、営業、建築、経理などの部門ごとに独自のシステムを持ち、日常的に活用している。

__ビジネスソリューション事業部 住宅ソリューション営業グループ
山口靖営業部長(左)
ビジネスソリューション事業部 チーフエンジニア
上村昌平マネージャー(右)__
自由にアクセスでき、比較的容易にデータを取り出すことができる、そんな情報基盤を提供する。住宅マネージャーで蓄積したデータをベースに、他システムのデータを結びつけて分析することが可能になる。また、特化した目的の独自のデータを作成したいという要望にも対応することができる。データが散在し、その分析に課題感を抱えている住宅事業者は、是非、DWH 構築を検討してほしいと考えている。

ただ、これらは部門ごとに独自に構築されているものがほとんどで、さらに仕様変更や機能追加が繰り返されプログラムが複雑になり、ブラックボックス化していることが多い。つまり、担当者が退職してしまった場合などには業務が滞る可能性がある。加えて、それぞれのデータを全社横断的に共有しているわけではない。その結果、それぞれの情報を串刺しにして分析したい、帳票をつくりたいといった時に、点在する情報を集め、あらためて分析する必要がある。せっかく社内にあるさまざまなデータを迅速な経営判断に生かすことが難しい状況にあるといっていい。場合によっては誤った判断につながる可能性さえある。データが可視化されていない、見える化されていないために課題解決につなげることができないということだ。

一方、KSKは、住宅マネージャーを事業活動に上手く役立ててもらうためにさまざまな要望に応えてきた。住宅マネージャーには、売上や利益、原価、工事監理、入出金、顧客情報などさまざまなデータを蓄積することができ、これらデータを使ってさまざまな帳票を作成することが可能だ。また、KSKは住宅事業者の利便性を重視し、他社システムとの連携も積極的に進め、独自の帳票の作成などにも対応してきた。

こうしたなかKSKは「データ・ウェア・ハウス(DWH)」を活用する新たなサービスを開始した。よりスピーディな経営判断が求められる時代に、住宅事業者の要望に応えたものである。

“データの倉庫”ですべての情報を集約、管理

「データ・ウェア・ハウス(DWH)」とはデータの倉庫という意味で、さまざまなデータをここに保存して置き、必要に応じてこれらをうまく活用することで事業に役立てることができる。

具体的には、KSKがシステムの外側に、ある程度自由にアクセスできるデータベース「DWH」を提供する。そこにさまざまなシステムから集めた、売上、原価、顧客、工事、経理、入出金、アフター関連など多岐にわたるデータを、データベースの形で公開することで、Excelなど市販のツールで抜き出して加工することができるようになる。これらのデータは、住宅事業者が使いやすいような項目(サブジェクト)ごとにまとめられ、例えば、住宅マネージャーでは最大30項目を一覧にして提供される。

住宅マネージャーに蓄積したデータはもちろん、他システムのデータ、その企業が独自にExcelなどで管理しているデータも取り込むことができる。事業活動に関するデータを一カ所に集約することで、データを見える化し、分析できるようにするわけだ。

また、入力機能を持っていることもポイント。住宅マネージャーの30項目以外に、必要な項目(サブジェクト)を住宅事業者自らが任意で作ることができ、独自のデータであってもわかりやすく集約することが可能だ。

この項目ごとのデータをそのまま単独で使うことはもちろん、それぞれの項目を組み合わせて使って業務に活用することができる。例えば、業者への発注とアフター履歴を組み合わせれば、業者別にクレーム発生と状況を分析できるようになる。

つまりDWHにすべての社内の情報を集約、蓄積しましょうという提案だ。これにより、逐一それぞれの部署に依頼することなくデータを素早く取り出すことができるようになり、正確で最新の経営情報、必要な情報を迅速に色々な切り口から確認、分析でき、迅速な経営判断、意思決定を行うことができる。また、現場の課題を解決するような正しい施策を打つことが可能になる。

経営層や管理職、現場からの要望に素早く対応、迅速な判断が可能になる

独自の帳票も社内で作成

システム構築の時間を削減

「色々なシステムに散在しているデータを集約、整理することで各部門の課題解決に向けて必要なデータを取り出すことができるようになる。そうなれば、もう一段深い分析を行ってみようとか、これまで行われていなかったデータ分析をルーティンで行おうなど、より良い方向に向かうことができる」(住宅ソリューション営業グループ 山口靖営業部長)と、DWHを構築することで可能性は広がりそうだ。

また、これまでのように他システムとの連携システムを構築する時間やコストを削減できることも大きなメリットだろう。必要なデータをDWHに入れておくだけで、必要な時に住宅マネージャーのデータと紐づけて分析することが可能になる。

これまで住宅事業者が独自の帳票を作りたいと考えた場合、KSKがシステム構築を請け負ってきた。時間とコストがかかることから、住宅事業者の中には、社内でオリジナルのシステムを構築する企業もあるが、それはほんの一握りに過ぎず、社内で対応するには難しいのが現実だ。DWHを構築することで、手軽に、スピーディにこうした対応を取ることができるようになる。さらに言えば、業務プロセスを変更し、必要な帳票が変わってしまっても、タイムロスなく対応することが可能になろう。

コストは、求める項目数換算での見積もりになるが、新たなシステム構築に比べれば低コストでの導入が可能だという。また、他社システムからのデータ取り組みでベンダーとの打ち合わせが必要な場合はKSKが対応する。

KSKは、すでに住宅マネージャーを導入している、また、新規導入を検討している住宅事業者にDWHの構築の提案を始めており、すでに導入を決めている企業も出始めているという。

DWHの構築は、より早く低コストでできることが一番のポイントといえる。住宅業界をめぐる環境は日々大きく変化している。先のウッドショックのように、瞬時に判断し、施策を打ち出さなければいけないような状況も当たり前に起こる。迅速な判断が求められる時代に、DWHの構築は住宅事業者の大きなDX推進の武器になると期待されている。

株式会社KSK
東京都稲城市百村1625-2
TEL:042-378-1100 https://www.ksk.co.jp/

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