VAIOが世界最軽量モバイルディスプレイ『VAIO Vision+ 14』発表。カーボン立体成型で超薄堅牢、縦デュアル対応スタンド兼カバー付属

VAIOが世界最軽量モバイルディスプレイ『VAIO Vision+ 14』発表。カーボン立体成型で超薄堅牢、縦デュアル対応スタンド兼カバー付属

他の写真を見る

ソニーから独立10周年を迎えたVAIOが、初のモバイルディスプレイ『VAIO Vision+ 14』を発売しました。

Soraレベルの超高性能動画生成Luma AI「Dream Machine」が2枚の元絵指定できる「キーフレーム」機能追加。弱点の「別人化問題」がこれで解消するか、試してみた(CloseBox)

14インチ16:10ワイドでありながら約325gと軽く、最薄部は3.9mmと冗談のように薄く、かつ新製法のカーボン立体成形で堅牢な、 モバイルノートと一緒に持ち歩きやすい製品です。

接続はUSB-C。PC等からケーブル一本で映像と給電を受けて使えるほか、USB-PDパススルー給電にも対応しており、USB-C端子がひとつしかないスマートフォンや携帯ゲーミングPCを充電しつつ使うこともできます。

本体背面にアルミ製の堅牢なキックスタンドがあり単体で立てられることに加え、付属の保護カバー兼用スタンドでVAIO Vision+ 14を高い位置に固定して、モバイルノートと縦に並ぶ上下2画面デュアルディスプレイ環境が標準で作れるのも売り。

VAIOは上下デュアル推しで、外出先のカフェなどスペースが限られる環境でも左右に幅を専有しないこと、視線移動がし易いこと、顔を上げて姿勢が良くなりビデオ会議などでカメラ目線を改善できる等を利点として挙げています。

主な仕様は14インチ1920 x 1200 WUXGA液晶、映り込みが少ないアンチグレア表面処理、USB-C端子x2。HDCP 1.4に対応し、動画ストリーミングアプリなどの映像も表示できます。サイズは幅 312 x 高さ211.1mm、 厚さ3.9~12.4mm。

搭載しない・対応しないものを挙げれば、本体にスピーカーは内蔵せず。接続機器側を鳴らす前提です。接続もUSB-C (DP-Alt Mode)のみ、HDMI等は自前で変換が必要。電源はUSB-Cで給電するため、本体側にバッテリー等はありません。

VAIO Vision+ 14の価格はVAIOストア公式で単体5万4800円、PCと同時購入なら5万3000円。すでに予約を受け付けており、最速で7月4日から使えます。

モノが切れそうな外見だけでもインパクトがありますが、実際に手にすると、約325gという数字以上に、面積から予想する重さが裏切られた驚きについ笑ってしまうほど。

背面のスタンドをつまむ程度で軽々と持て、ノートと一緒に持ち歩いてもズッシリ感がありません(カバー併用については後述)。

本体が軽いことで、標準でついてくるカバー兼用スタンドで高い位置に固定してもグラグラせず、安定して使える印象でした。ただし全体が軽いので、ケーブルを引っ掛けて倒さないように注意は必要です。

しばらくモバイルノートやスマホと併用して印象に残ったのは、液晶の品質がかなり高く見やすいこと。

カタログ的には輝度400cd/m2、sRGB 100%、視野角上下左右178度と飛び抜けたものはなく、モバイルディスプレイでもノートでも有機ELを採用した商品が増えつつあるなかで液晶かあと思う気持ちがなかったとは言えないものの、実際に使っているとコントラストが高く見易く、1920 x 1200解像度も含め、プロダクティビティ向けとして必要十分以上の印象でした。

(MacBook Air 13インチと並べたところ)

最近のモバイルディスプレイは進化が凄まじく、解像度やサイズだけなら同等のものが1万円台で売っていることすらあり、個人的にもつい何枚も購入していますが、同じ液晶でも格安で粗悪なものは視野角や発色が怪しく、横置きデュアルで斜めから見ると画像の色味が露骨に変わったり、縦置きでの利用を想定していないこともあります。一方、VAIO Vision+ は基本的にPC作業向けの液晶ディスプレイとしてまず見易く良いバランスです。

手頃な格安品もあるなかで、VAIO Vision+ 14の定価5万円台前半は「14インチ液晶モバイルディスプレイ」枠で並べれば必ずしも安くありません。しかし目を引く薄さや単品持ち歩きが苦にならない軽さ、手で捻ろうとして驚く堅牢さ、目に快適な液晶の品質といった総合力を考えると、「拘らなければ格安品もある、良いものが欲しい人はプレミアムを払えば薄型堅牢や世界最軽量も選べる」という、健全な市場のなかの高級モデルとして魅力的な製品です。

属人的な「感想」でいえば、ソニーからの独立以来、スタイリッシュで高性能なモバイルの伝統は守りつつ、どちらかといえば法人向けの堅実な印象が強かったVAIOから、ひと目みて薄さに驚き、手にとって思わず笑ってしまうような、ユニークな製品が出てきたことに新鮮な嬉しさがあります。

完全に好みの話をすれば、せっかく異様に薄いのに背面の一体型キックスタンドが突出しており、表面仕上げはしてあるもののアルミ製で他の機器に引っかかりそうなのをなんとかしたいところ。

プロダクティビティ向け実用品としてスタンドの強度は絶対(だからこそここは樹脂ではなく金属)、かつ縦置き対応で防御力も高いカバースタンドが標準で付属するのだから、セットで持ち歩くのが想定された使い方なのだとは思いますが、カバー自体が440gあるためセットにすると800g近くなり、個人的な使い方とロードアウト論的には、この重さ予算ならば iPad を無線で使えるサブディスプレイとして持ち歩く運用が視野に入ってくるのが悩ましいところ。

……などと、モバイルワークの前提条件を変え、ああでもないと環境を新たに考えるのも楽しみになるインパクトがある製品です。

モバイルディスプレイ VAIO Vision+ 14(VJ5VP141C11)|VAIO公式 オンラインストア|VAIO STORE

AI生成の動画を“5倍以上長く”する拡張モデル「ExVideo」、無音動画に“それっぽい音”を挿入できる「FoleyCrafter」など生成AI技術5つを解説(生成AIウィークリー)

プロ作成モデルに匹敵する写真1枚→3Dモデル生成「Unique3D」、アーティストが丁寧に作ったようなポリゴンメッシュ生成「MeshAnything」など生成AI技術5つを解説(生成AIウィークリー)

米国の主要レコード会社がAI作曲サービスSunoとUdioを提訴。訴訟の根拠となったヒット曲再現プロンプトを検証してみる(CloseBox)

© TechnoEgde