炒めた豚肉とニラでワンランク上に 人気の肉ニラそば 手間を惜しまない調理で50年以上 戸田の酔月園 皮から手作りのギョーザやふわっと軟らかシューマイも

2代目店主の鈴木至弘さん(右)と母親の静子さん=戸田市川岸の「酔月園」

 東京都荒川区西尾久で1961(昭和36)年、先代が創業。70(昭和45)年に埼玉県の戸田に移った。「当時からお店の中をあまり変えていなくて、『時が止まったみたいだ』とおっしゃるお客さまもいますよ」と2代目店主の鈴木至弘さん(51)は話す。戸田公園を訪れるボート部の学生や周辺の職場で働く人々にとっては、店内で変わらない笑顔で客をもてなす母親の静子さん(87)は元気の源。「かつての常連さんのお子さんが食べに来てくれることもあります」。

 丁寧な接客と手間を惜しまない調理で50年以上、地元で愛されてきた。名物の自家製焼きギョーザは皮から手作り。食感を楽しんでもらえるよう、材料のキャベツの一部を手切りにし手包みする。肉のうまみが口いっぱいに広がる自家製シューマイはよくこねた豚肉がふわっと軟らかく、それでいてしっかりとした味わいを楽しめる。ふたを外すと湯気が立ち上る、せいろで提供されるのもうれしい限り。

 麺類は全て自家製麺。炒めた豚肉とニラがラーメンを1ランク上のごちそうへと昇華させる肉ニラそばや、もやしそば、香りと食感を楽しみたい広東焼きぞば(揚げ麺)などが人気という。ぷりぷりのレバーをぜいたくに使ったレバニラ炒めや「1ランク上の卵を使ったり、こだわり始めたら人気が出た」というオムライスも支持されている。

 「お客さまの立場で考え、調理や接客をすると、手が抜けないんですよね。初めての方も、お気軽に自慢の味を楽しんでいただければ」と至弘さん。昭和、平成から令和へ、地元の人気店のこだわりがおなかも心も満たしてくれる。

【メモ】  酔月園 戸田市川岸2の5の3(電話048.444.2469)。営業時間は午前11時~午後2時半、午後5時15分~同9時。月曜、第3日曜日定休。30席、予約可。JR戸田公園駅から徒歩約15分、東部センター通り「川岸」交差点南、「障害者福祉会館」バス停すぐ。

【主な人気メニュー】  ラーメン520円、チャーハン670円、肉ニラそば770円、広東焼きそば揚げ麺880円、オムライス930円、レバニラ炒め880円、自家製ギョーザ1皿4個350円、自家製シューマイ1皿3個300円。一品料理は+200円で定食セットにできる。料金はいずれも税込み。持ち帰り冷凍ギョーザ10個690円。

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