結束と実践で悲願達成へ 湘南学園高校 氏家(うじいえ)凰馬(おうま)(3年・捕手) 藤沢市

昨夏、歴代でも実力があると期待されていたチームで初戦突破が叶わなかった。「今年こそ勝ちたい」というのが全部員共通の願い。だが、モチベーションの高さや思い描く練習方針が食い違った。主将として何度も話し合いの場を作り、全員が納得して総意が出るまで1つずつ課題を解決してきた。

秋大会と春大会は単独ではなく連合チームで参加。決まるまで部内の意見をまとめるのに苦労したが、ここでの経験がチームにとって一つの転機となった。

今まで外との関わりが少なかった中で、他校の部員と大会に出場したことは、「部全体に刺激をもたらした」。指導者や主将も違えば練習の方針、場所もいつもとは違う。普段、活動できるのは週に3回。グラウンドを他の部と共同で使うためメニューも限られ練習試合も少なかったが、この1年間で実戦経験を積むことができた。

個人としても確実に成長できたと振り返る。連合での活動は、他校の主将を見ることができる勉強の場でもあった。「今心掛けているのはどっしり構えること。主将が落ち着いていることで、周りもしっかりプレーできるようにするのが重要だと思う」と、気を引き締める。

中高一貫、長ければ小学校時代からの友人でもあり、苦楽を共にしてきたチームメイトたちとの最後の夏。実践で得た学びを武器に、10年越しの初戦突破を見据える。

© 株式会社タウンニュース社