中国ネット大手、反日ヘイト投稿を批判 母子襲撃受け

Casey Hall

[上海 1日 ロイター] - 中国のソーシャルメディア大手がインターネット上の反日ヘイトスピーチ(憎悪表現)を相次いで批判している。

中国国内のネット上では、先週に蘇州市で日本人母子が襲撃され、犯人を阻止しようとした中国人女性が刺されて死亡した事件を受けて、この女性をたたえる投稿が数多く寄せられているが、犯人が日本人を標的にしたことを称賛する極端な投稿も一部で見られる。

対話アプリ「微信(ウィーチャット)」を運営する騰訊控股(テンセント・ホールディングス)、短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の中国版「抖音(ドウイン)」、短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」、ゲーム大手の網易(ネットイース)は相次いで反日ヘイト投稿を批判。

ドウインは先月30日、「外国人嫌悪を助長する極端で間違った投稿」があるとし「こうした投稿は当プラットフォームの前向きで平和的な雰囲気を乱すもので、違法行為をあおり立てるコメントさえある」と表明。

テンセントも先月29日、ルールに違反した836件の関連コンテンツに対処したとし「一部のネット民は中国と日本の対立をあおり、極端なナショナリズムを刺激し、ネット上でさまざまな極端な意見を作り上げた」と述べた。

国営メディアの人民日報も先月28日の社説でヘイト投稿を批判。「われわれは個人が外国人嫌悪やヘイトスピーチをあおることも容認しない」とし、「これは中国の主流社会、われわれ中国人には受け入れられない」と述べた。

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