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■カルリーニョス・ジュニオがゴラッソ!!
「超攻撃的」が、よみがえった。
J2リーグ第22節が6月29、30日に行なわれ、3位の清水エスパルスは30日、4位のファジアーノ岡山をホームに迎えた。アウェイ連敗でホームへ戻ってきた清水は、絶対に落とせない一戦である。
清水はMF乾貴士が、2試合ぶりに先発する。さらに前節途中出場でインパクトを残したMF松崎快が、3月30日以来となるスタメンに名を連ねた。2列目は右から松崎、乾、MFカルリーニョス・ジュニオの並びだ。
DFラインにも手が加えられた。CB住吉ジェラニレショーンが3試合連続のメンバー外となり、DF高木践が高橋祐治とCBのコンビを組む。高木は2試合ぶりの先発だ。
その高木が岡山FWルカオを抑えられるかどうかは、この試合のポイントだった。3-4-2-1のシステムで頂点に立つ岡山のブラジル人FWは、守備側から見て左サイドへ流れることが多い。ルカオが191センチ、高木は173センチと、20センチほどの身長差があるマッチアップで、高木が奮闘していく。先回りして正しいポジションを取ることで、起点を作らせないのだ。
20分には試合が動く。右SB原輝綺のクロスが逆サイドへ流れ、カルリーニョス・ジュニオがボールを収める。クロスを入れる雰囲気のなかで、右足を強振する。相手GKの頭上をこえた強烈で正確な一撃が、ゴール右上へ吸い込まれたのだった。背番号10のゴールは、3月20日の第5節以来だ。
直後の24分に決定機を許すが、GK権田修一の好守でしのぐ。権田は27分にもピンチを防ぐ。守護神の活躍でリードを保つが、42分に失点を献上する。田中雄大のスルーパスと岩渕弘人の動き出しが、鮮やかに結びついた。この場面は権田もノーチャンスだった。
■距離感改善の清水が岡山を突き放す
1対1で迎えた後半開始直後、清水が再び前に出る。
49分、左CKから高橋がヘディングシュートを浴びせ、相手がブロックしたボールを原が回収して乾へつなぐ。乾の右足シュートは相手GKに弾かれたものの、こぼれ球をカルリーニョス・ジュニオがプッシュする。IAIスタジアム日本平が沸騰した。
秋葉監督は65分にカルリーニョス・ジュニオを下げ、74分にも乾と松崎を下げる。選手の入れ替えでチーム全体の運動量を維持すると、79分に決定的な3点目をゲットする。中盤でのパスカットからDF北爪健吾が右サイドから持ち出し、内側から並走するMF矢島慎也へつなぐ。ペナルティエリア内まで持ち込んで右足を振ると、DFに当たってコースの変わったシュートがGKの頭上を破った。矢島は5試合ぶりのシーズン3得点目だ。
秋葉監督は85分にも2枚替えを行ない、守備時は5バックで構えて失点のリスクを抑える。今シーズン負けなしのホームで3試合ぶりの勝利をつかんだ清水が、岡山との上位対決を制した。
攻撃時の距離感が改善され、ワンタッチプレーを効果的に使えていたのは改善点だ。このところシュートチャンスに恵まれていなかったFW北川航也が、後半にバー直撃のシュートを放ったのも好材料にあげられる。
J1自動昇格圏を巡る争いは、勝点47のV・ファーレン長崎が首位で、勝点46の横浜FCが2位となっている。清水は横浜FCと同じ勝点46だが、得失点差で3位だ。
ホーム連戦となる次節は、6位のジェフユナイテッド千葉を迎え撃つ。カルリーニョス・ジュニオと乾が出場停止のなかで、ホーム不敗を継続することができるのか。秋葉監督は「全員の力で勝ちたいと思います」と力強く話した。