桑木志帆、平均9ヤード増の理由は「BSの新ヘッドとトレーニング」 シャフトも青マナの後継に【勝者のギア】

桑木志帆の優勝ギアを調査(撮影:ALBA)

<資生堂 レディスオープン 最終日◇30日◇戸塚カントリー倶楽部 西コース(神奈川県)◇6697ヤード・パー72>

昨年、プレーオフで櫻井心那に競り負けた大会で、桑木志帆が1年越しの雪辱を果たした。今季、何度も優勝争いをしながら一歩手が届かなかったが、ようやく優勝カップを手にした。トップと1打差で出た21歳は4バーディ・1ボギーの「69」をマーク。トータル11アンダーで逆転し、念願のツアー初優勝だ。

昨年のプレーオフでは、櫻井の豪打を前にティショットで大きなビハインドを背負ったが、今年の桑木はライナーフェードを磨き込み、大幅な飛距離アップに成功。昨季の平均239.46ヤード(44位)から、今季ここまで248.33ヤード(16位)とドライビングディスタンスを8.87ヤード伸ばし、大会比較でも好天だった昨年230.5ヤードから雨模様の今年が245.50ヤードだ。大幅に飛距離が伸びた要因を本人はこう話す。

「球筋をフェードに変えて2年目で、変えたから優勝できたとは思わないですが、一番はドライバーの飛距離が出たこと、ラフからどんな打ち方をしたらいいかの状況判断が去年より成長したので自分を助けましたね。(飛距離アップの要因は)ヘッドを去年替えて少し飛ぶようになったのと、トレーニングを本格的にするようになって、安定して飛距離が出るようになりました」(桑木)

また、これだけ距離を伸ばしてもFWキープ率は昨年の70.6246%(20位)→70.6494%(23位)と方向性も高いまま。そんな桑木は、直近でドライバーのシャフトを三菱ケミカル『ディアマナ』の未発表モデルに変更していた。

「ドライバーが曲がり始めて右に行くことが増えたので、それを抑えたいと思って。昔(青マナ系を)使っていたので、その『後継が新しく出る』ということで、試してみたらすごく良くて、(BBを)試してみたらすごいハマったので使いました」(同)

また、元々13度にロフトを立てていた3番ウッドを、一旦15度に戻したが、今大会で14.5度に少し立てるよう調整。「ロフトを立てていた時は、どんどん当たらなくなってきて、低い球でロースピン過ぎて、2オンを狙ったり、ティショットが3番ウッドの時にランアウトすることが多かった。15度に変えたんですけど、そしたらスピン量が増えて前に出なくなったので、14.5度にしたらちょうど良かったです」。

以前は、地元の『MOZ』製ウェッジを使っていたが、契約するブリヂストン(BS)製に替えた理由は「MOZもすごくいいんですけど、ほぼ毎週BSさんが来ていて、ウェッジはけっこう(溝が)減るものなので、新しいものに替えたりとか、こうして欲しいというのをすぐ対応してくれるので、そういった点ですぐ頼れるクラブを選びたいなと思いました」。

ユニークなのは、傘にもイオミック製グリップを採用すること。同社担当者によれば「桑木プロのクラブに付いているものは『Sticky 1.8 スタンダード (M60)』ですが、傘の持ち手部分のものは当社で発売する傘のみに採用したもので選手に特別に入れています。クラブのグリップと同じ感触で“握りやすい”と愛用いただけています」とのこと。

また、桑木と言えば黄色いボールで、ラウドマウスの黄色のロゴもよく目立つ。ファンも黄色い服で応援し、ラッキーカラーなのか傘の持ち手も今週イエローに。ところが、本人は「(傘は)先週までピンクだったんですけど、今週から黄色に替えました。(黄色好き?)好きっちゃ好きですけど、今はピンクが好きです(笑)」と、周囲の見方を覆し、笑いを誘っていた。

【桑木志帆のクラブセッティング】
1W:ブリヂストンB-Limited B1 LS(9°三菱ケミカル ディアマナBB 53S 45インチ)
3W:ブリヂストンB1ST(14.5°三菱ケミカル ディアマナWB 53S 42.75インチ)
3,4U:ブリヂストンB2HT HY(19,22°LIN-Q EX HY 75S)
5I~PW:ブリヂストンTOUR B X-CB 2016(N.S.PRO 850GH S)
48,52,58°:ブリヂストンBRM2(N.S.PRO 850GH S)
PT:PING PLD MILLED ANSER 2
BALL:ブリヂストン TOUR B X(イエロー)

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