サウジ政府系ファンド、23年は大幅黒字転換 368億ドル

[ドバイ 1日 ロイター] - サウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)は1日、規制当局に提出した2023年決算で損益が1381億リアル(368億1000万ドル)の黒字に大きく転換したことを明らかにした。前年は156億ドルの赤字だった。

総収入は前年比2倍以上の883億ドルに急増した。前年は440億ドルにとどまっていた。配当の受け取りが増加したことに加え、銀行や通信、ゲームといった業種への投資と投資に分類されない事業活動がいずれも改善したことが要因。

PIFは同国の実権を握るムハンマド皇太子が事実上けん引する。中東湾岸諸国の経済を石油依存から脱却させるためのファンドで、運用資産は約9250億ドルに上る。長期計画「ビジョン2030」では同国はPIFを通じて紅海沿岸に大規模な都市と産業開発拠点「NEOM(ネオム)」を建設するプロジェクトを進めている。

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