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放送界で優れた功績を残した番組や制作スタッフや番組に贈られる「放送人グランプリ」で、NBC長崎放送(長崎市)の報道メディア局報道制作部プロデューサー、宮路りかさん(57)が「特別賞」に輝いた。「放送人の会」(東京)主催。宮路さんは「取材先、同僚、家族など、支えてくださった方々のおかげ」と喜びを語った。
宮路さんは長崎市出身。北九州市立大を卒業後、西武百貨店や県立高校で働き、1991年に長崎放送のリポーターに。翌年、アシスタントディレクター(AD)となって以来、番組制作一筋で歩んできた。
大切にしているのは「もっと知りたい」という気持ち。「山田くんの動物園」(1994年)の制作は、県内の高校生を紹介する番組のため生徒たちから集めたアンケートがきっかけ。「自分は180匹動物を飼っている」という記載に興味を持ち、取材を掘り下げた。「少女たちの都大路」(96年)では県立諫早高の女子駅伝チームに密着。難病「骨形成不全症」で体が不自由な諫早市の秋山大輝さんと家族の日常を伝える「大輝、15の春」(2021年)と、松浦市の鷹島で暮らす牛の繁殖農家を紹介した「牛と生きる~長崎・鷹島あったか家族」(22年)は、国際放送「NHKワールド」で世界に発信された。
特別賞の審査では、宮路さんが約30年間、何気ない地域の出来事や人物を取材し続けてきたことについて「取材対象は、ほとんどが長崎に暮らす“普通の人々”。足元にある素材が、宮路さんの手にかかると輝きを増す」と評価。「ローカル放送の真神髄を見せられた思いがする」と称賛された。
今後について宮路さんは「あと2年半で定年。たくさんの先輩方に教わってきたことを後輩に伝えながら、これからも縁と出会いを大切に、『人』にこだわった番組を作りたい」と抱負を述べた。
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