1Wスピン量3500回転からの快進撃! 桑木志帆、初優勝の秘密は超ディープヘッドと手元調子シャフト

ドライバーは、ヘッドにブリヂストン『B-Limited B1 LS』(9度)を、シャフトは『ディアマナBB 53S』を使用している

「資生堂レディス」で念願のツアー初優勝を飾った桑木志帆。彼女のクラブには興味深い工夫が隠されている。今回は、彼女が好んで使用するギアの詳細をレポートする。

昨季の平均飛距離239.46ヤード(44位)から、今季ここまで248.33ヤード(16位)と大きく飛距離を伸ばし、フェアウェイキープ率も70.64%(23位)と高い精度を誇るドライバーショット。ヘッドはブリヂストン『B-Limited B1 LS』(9度)を、シャフトは『ディアマナBB 53S』を使うが、どんな点を気に入っているのだろうか? ブリヂストンスポーツのツアー担当に聞いた。

「昨年から持ち球をドローからフェードに変えて、かなり浅重心のディープヘッドを使っています。重心距離が短いため、操作性が高く球を曲げやすい。意図的にフェードが打ちやすくなっていると思います。スピン量が多かったので、3500回転まで増えていたこともあります。なので、ディープヘッドでロフト9度にして少しでも低スピンになるように設定していますね」

ドライバーシャフトは、最近『ジ・アッタス V2 5S』から元調子系の『ディアマナBB 53S』に変えている。

「手元が軟らかいシャフトが振りやすいみたいです。手元がしなってヘッドが遅れてくる方が、意図的にフェードを打ちやすい。先調子だと先が動きすぎてタイミングが狂ったり、ヘッドが走り過ぎてしまいます。新シャフトに変えたのは、よりしっかり目で動きが抑えられるシャフトが良かったのでしょう。振ったときにヘッドがどこにあるのかが分かり、低スピンになり飛距離も出ました。弾く感じになり好印象だったようです」

ハイスピン傾向を抑えるのには、ボールの選択も貢献しているようだ。彼女のトレードマークとなっているイエローボールの正体は、『ツアーB X』だ。

「以前はスピン系ボールの『ツアーB XS』を使用していましたが、昨年終盤からドライバーのスピン量をどう克服するかを考えて、スピン系でもより飛距離が出る『ツアーB X』を試しました。それで飛距離も伸びて、あとはアプローチ、パターも慣れれば大丈夫ということで、使用するようになりましたね。それでスピン量も3000回転以下に収まるようになったんですね」(ブリヂストンスポーツツアーレップ)

今オフにはドライバーのティアップの高さも変えたという。今まではかなり低かったティアップの高さを多少高くして打つようになったことで、ヒール下目の打点も解消され低スピン化に成功しているようだ。

様々な要素が作用してハイスピンを克服した桑木。飛んで曲がらないドライバーショットを武器に、彼女が今季何勝まで記録するのか楽しみだ。

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