1軍そろい踏みの〝3兄弟〟励みに…ソフトバンク第4の慶応戦士なるか「ここが勝負どころ」支配下登録期限まで1カ月

キャッチボールする佐藤宏樹

ソフトバンク育成の佐藤宏樹投手(25)が勝負の7月を迎えた。2020年のドラフト会議直前に左肘の靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)を受け、長いリハビリを経験。4年目の今季は支配下登録の期限が7月31日に迫る中、右腹斜筋肉離れでリハビリ中だが、厳しい状況を支えて刺激を与えてくれる存在がいる。

現在、1軍では慶大で1学年上の柳町達、1学年下の正木智也、3学年下の廣瀨隆太の〝慶応三兄弟〟が大活躍。柳町と廣瀨は5月末、正木も6月下旬に1軍に昇格して存在感を放っており、佐藤宏も「活躍は見るようにしている。自分も頑張らないと、と励みになっている」と口にする。

今季は5月1日のウエスタン・広島戦(タマスタ筑後)で先発して5回1失点で公式戦初勝利をマーク。同8日のくふうハヤテ戦(ちゅ~る)も2番手で好投して2連勝したにもかかわらず、その後にチーム事情もあって3軍への降格を告げられた。

その際に柳町と交わした会話が忘れられない。柳町も2軍で好成績を残しながら、1軍昇格を果たせていなかった時期。「状況は似ている。ともに頑張ろう」と誓い合った。佐藤宏は「(柳町)達さんもああ言ってくれた。(同じ慶大出身の)あの3人に負けないようにしたい」と話す。

3軍で痛めた右脇腹はほぼ完治し、実戦復帰に向け調整を続けている。「諦めずにその日(支配下登録期限の7月31日)が終わるまでリハビリする」とした上で〝その先〟も見据えている。

「これから先のことを考えたときに、今何をすべきか。リハビリではもどかしい感情がいっぱいあるが、ここが勝負どころ。気持ちも体も疲れてくるときに、いかに先のことを考えてできるかに尽きる」。支配下として、大学時代のように3人と同じグラウンドに立つ日を目指し、最善を尽くす。(鬼塚淳乃介)

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