昔ながらの“手いり”で「コクのある味わい」 60年続く伝統の麦茶づくり 山梨県

暑い時期に欠かせない飲み物のひとつが麦茶です。

上野原市の商店では、手作業で大麦をいる昔ながらの伝統の麦茶づくりが行われています。

明治12年から続く、上野原市野田尻の「上州屋 設楽彦吉商店」です。

麦茶づくりに取り組むのは、4代目の設楽徳子さんです。

祖父の代から続く「手いり」にこだわり、麦茶づくりの工程のほとんどが手作業。

その伝統は60年以上続いています。

熱した大釜に麦茶の原料の大麦を入れ、竹のホウキでかき混ぜながらいっていきます。

こちらの麦茶は深炒りが特徴で、苦味が出ないよう炭になる直前で釜から取り出します。

上州屋 設楽彦吉商店 4代目 設楽徳子さん

「煙があって鍋の色を確認できないので、ホウキから伝わる重さで確かめます」

作業中、作業場は香ばしい香りでいっぱいになります。

大釜から取り出し、一晩冷まして不純物を取り除いて完成です。

佐藤記者

「それではいただきます。濃い色をしていますが苦味は全くなく、コクのある味わいです」

上州屋 設楽彦吉商店4代目 設楽徳子さん

「注文が入ると、もうこの季節が来たんだなあと思う。ガッカリさせたくないから頑張る」

こちらの麦茶、そのままはもちろん、牛乳で割ると甘さが引き立ち、まろやかでおいしいということです。

麦茶づくりは梅雨が明けてからピークを迎え、9月いっぱいまで続きます。

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