夏休みの自由研究にいいかも?! ウミウシ博士が難易度別に伝授する「入手」から「飼育」まで…かごしま水族館の飼育担当者が生態観察図鑑を刊行【動画アリ】

水深約15メートルの岩場でウミウシを探す西田和記さん=西之表市の上之古田漁港沖

 鹿児島市のかごしま水族館でウミウシの展示・飼育を担当している西田和記さん(37)が「ウミウシの生態観察図鑑」を刊行した。自ら採集し、同館で展示したことがある種を中心に232種を掲載。「海を楽しむきっかけになれば」と、生息環境や観察のこつも紹介している。

 「ウミウシ博士」の初めての図鑑はA5判カラー224ページ。生息場所や探し方をアイコンで表示し、自身の経験を踏まえて入手、飼育の難易度を5段階で評価するなど、子どもたちにも一目で分かりやすく解説している。誠文堂新光社、3960円。同水族館でも近く販売が始まる予定だ。

 ウミウシは巻き貝の仲間で世界中の海に生息し、約4500種が学名を持つ。国内では約1400種が確認されている。愛媛県宇和島市出身の西田さんは、千葉大学理学部でウミウシの研究に出合い、鮮やかな体色や個性的な模様、生態の多様性に魅せられた。

 同水族館では2017年に常設展示を始め、現在は40~50種を飼育し、繁殖にも挑戦している。「餌は海綿や海藻がメインだが、種ごとに違う。まず餌を見極め、確保していくのが一番大変」と語る。

 6月26、27日には種子島入りし、新たな個体や餌を確保するため海に潜った西田さん。「自然の豊かさを感じられる海洋生物。身近な磯を探検しながら探してみては」と話した。

採集したウミウシを確認する西田和記さん=西之表市の上之古田漁港

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