キューバ、米軍基地近くに通信傍受施設 中国の情報収集支援か

Michael Martina

[ワシントン 2日 ロイター] - 米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)は1日公表したリポートで、キューバが米海軍グアンタナモ基地から情報を収集する能力を持つと考えられる通信傍受施設を建設していることが衛星画像から確認されたと明らかにした。キューバの通信傍受能力は以前から中国との関係が指摘されていた。

CSISによると、新たな通信傍受施設はキューバ南東部サンティアゴデクーバの東にあり、建設は2021年に始まった。グアンタナモ基地はサンティアゴデクーバから45マイル(73キロメートル)ほど東方の地点にある。

CSISは「中国がこうした施設を利用できれば、海軍グアンタナモ基地近くの極めて戦略的に有利な場所が中国に提供されることになる」と指摘した。

キューバは米国に近く、米南部には軍事基地が多いため、中国が情報収集するには好都合な場所となっている。CSISは新たな施設が稼働すれば、米軍の航空・海上活動を監視できる「強力なツール」になると強調した。

新施設には直径約130─200メートルの円形にアンテナが配置され、3000─8000海里(3452─9206マイル)離れたシグナルを傍受できる可能性があるという。

キューバのカルロス・フェルナンデスデコシオ外務副大臣は、キューバが中国軍関係者を国内に受け入れているとの見方を否定した。

米国務省のパテル副報道官はこの報道についてコメントしなかったが、2日の記者説明で、米国は「キューバにおける中国の活動を注視している」と表明。「中国がキューバでの存在感を高めようとし続けることは把握している。米国はそれを阻止する取り組みを続けるだろう」と述べた。

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