7月開幕!初心者大歓迎「ライブ感を楽しむ」演劇イベント"札幌演劇シーズン"

7月13日から幕を開ける札幌演劇シーズン。今までは、夏冬と年に2回の開催でしたが、2024年度から新たに年に1回の開催となり、内容が一段とパワーアップしました!

作品のラインナップの進化した点はもちろんのこと、札幌演劇シーズンの魅力や野望まで、とことん深堀りしていきます! 札幌演劇シーズン事務局の村田和法さん、鶴岡ゆりかさんに「演劇専用小劇場BLOCH」で、お話を伺いました。

札幌演劇シーズンってどんな催し?

―まず、札幌演劇シーズンとはどのようなイベントでしょうか?

鶴岡さん:札幌で上演された数々の演劇作品の中から、沢山のお客様に「この作品は面白い!もう一回観たい!」と思って頂いた作品を上演する場として存在しています。元々、札幌には再演の文化があまり無く、どんなに面白い作品でも1度きりということが多かったんです。札幌演劇シーズンでは、そのような作品をロングランで上演するという試みを行っています。

村田さん:札幌って数えきれないくらいの劇団があって、かなりの頻度で演劇を上演しているんです。でも、ほとんどの方はそのことを知らないですよね。だから、評判の良かった作品を上演して観て頂くというのは、演劇に縁が無かった方が最初の入口として利用するのにとても良いなと思っています。

提供写真:札幌演劇シーズン実行委員会

―それでは、そんな演劇シーズンの最大の魅力は、ズバリどのような点でしょうか?

村田さん:情報があふれている現代では、何でもネットを通じて調べられるようになりましたが、演劇は情報ではなくて、体験する芸術なんですね。この他に類を見ない芸術をより多くの方に知っていただくきっかけになると思います。

鶴岡さん:そうですね、今回の上演劇場はサイズ感が小さめのところも多いので、目の前で役者さんが泣いて、笑って、怒ってという姿を観ることが出来ます。この迫力、臨場感を味わえることは本当に魅力的なのかなと思います。

提供写真:札幌演劇シーズン実行委員会

―どのような層のお客さんが多いのでしょうか?

村田さん:若い方かご高齢の方かという、両極端な印象がありますね。やはり、お仕事が忙しい年代の方だと、時間を開けて舞台を観に来ることが難しいのではないでしょうか。ただ、演劇シーズンはロングランで上演していますから、週末しかやっていないような舞台と比較すると、観るチャンスが多いと思います。

鶴岡さん:そうですね。演劇シーズンは各作品、平日の昼間の公演というのを出来るだけ設けるようにしていて、意外にも、そこの回が一番最初に完売したりするくらいニーズが高いんです。そのことに気づいたのも、この形態を始めたことがきっかけでした。お子さんがまだ小さい方とかでも、昼だったら行けるみたいな場合もあると思いますし、スケジュールを見つつ、開いている時があれば是非観に来て頂きたいなと思います!

關:様々な生活スタイルに対応しているんですね。平日でも、夜の公演であればお仕事終わりに寄ってみることも出来そうです。

提供写真:札幌演劇シーズン実行委員会

鶴岡さん:はい、しかも演劇シーズンで扱う作品の上映時間は長くて100分程度なので、観終わった後に、劇場の近くにお酒を飲みに行ったりすることもできます。

本当に、「どなたでもハマる作品がある」と思いますし、そのために幅広いスケジュール、ラインナップを組んでいます。若い方が観て楽しめる作品もあれば、大人向けのどっしり重たいテーマを扱った作品まで様々なんですよね。

今回使用される予定の劇場は、JR琴似駅直ぐ近くの「生活支援型文化施設コンカリーニョ」や、今年5月11日にオープンしたばかりの札幌駅北口そばにある「北八劇場」などで、どれも街中にあります。用事の合間にフラッと舞台に立ち寄ることも出来ますね。

進化した札幌演劇シーズン

提供写真:札幌演劇シーズン実行委員会

―なぜ今回から年に1回にしたのでしょうか?

村田さん:今まで夏冬と分散していたものを1つに凝縮することによる内容のスケールアップや、フェスティバル感の創出など色んな狙いがありますね。
今回は、1か月半のロングランで行うんですが、時期によっては1日に3作品ハシゴ出来たりするんです。演劇を、心ゆくまで目一杯楽しんで欲しいという思いが、一番大きいですね。

札幌演劇シーズン実行委員会

―今年の作品のラインナップで注目して欲しい点はありますか?

鶴岡さん:今回、人形浄瑠璃(※)が初登場するんです! 北海道で唯一、人形浄瑠璃を上演している劇団があるんですよね。やっぱり、人生で人形浄瑠璃を観る機会ってなかなかないかなと思うので、是非この機会に気軽に観に来て欲しいと思っています。

關:人形浄瑠璃は、普通に観ようと思っても、なかなか敷居が高いですよね。人形浄瑠璃を触れるための、またとない良い機会になりそうです。

※太夫・三味線・人形が織り成す総合芸術。物語を語るように演奏する音楽を「浄瑠璃」といい、その「浄瑠璃」と組み合わさって演じられる人形芝居を「人形浄瑠璃」といいます。
(“人形浄瑠璃とは”、東京音楽大学、https://www.tokyo-ondai.ac.jp/art_management/season1/2020_a/about-joruri.html、参照:2024‐6‐27)

提供写真:札幌演劇シーズン実行委員会

村田さん:あと、これまでは基本的に札幌の劇団の作品という縛りがあったのですが、今回リニューアルにあたって、「プログラムディレクターズチョイス」という取り組みを始めました。札幌という枠を飛び越えて、全国のありとあらゆる舞台の中から、プログラムディレクターが「これは面白い!」と選んだ作品を上演します。

鶴岡さん:今回は沖縄の劇団が「9人の迷える沖縄人~after'72~」という作品を上演してくれます。実はこの作品、昔、札幌演劇シーズンで上演した「12人の怒れる男」という作品にインスパイアされて、沖縄で作りあげられたものなんです!

「演劇の街さっぽろ」を目指して

提供写真:札幌演劇シーズン実行委員会

―2012年の冬から始まり、今年で12年目に入る札幌演劇シーズン。10年後はどのような姿を思い浮かべていますか?

村田さん:もっともっと気軽に色んな方が演劇を楽しめる場にしていきたいですね。それに尽きます!

鶴岡さん:札幌演劇シーズンはもちろんのこと、シーズン以外の時期も、思い立ったら舞台を観に行く方が増えて欲しいです。全国的に見てもこんなに演劇が盛んな地方ってかなり珍しいので、せっかく札幌やその近郊に住んでいらっしゃるなら是非劇場に足を運んで頂きたいです。

提供写真:札幌演劇シーズン実行委員会

―コロナ禍の時も上演をしていたのですか?

村田さん:していました。思い出すと胃が痛くなりますね。シーズンとコロナの波が重なることが多くて、本当に大変でした。

鶴岡さん:「小劇場」という特性上、役者と観客の距離が近いので、最前列の席は消滅していましたし、席も一個開きでした。30人程度しか劇場に入れない時もあって、なかなか苦しかった時期でしたが、なんとか止めることなく続けて来れました。

關:演劇の火を灯し続けたんですね。

提供写真:札幌演劇シーズン実行委員会

―これからの野望があれば聞かせてください。

鶴岡さん:札幌市民の10人に1人は小劇場で演劇を観たことがある街になると面白いなと思います。

關:札幌の新たな魅力に、「演劇」が追加され、「演劇」によって更に活力がある街、市民になっていったら本当にすてきですね。
―最後に、視聴者の方にメッセージをお願いします。

村田さん:とにかく一度劇場に来てみてください。日常のスパイスになると思いますし、とっても新鮮な体験になります。
鶴岡さん:ぜひたくさんの方に、演劇ならではのLiveの楽しみ方を味わって頂きたいです。そして、面白いと思ってくださったら、友人や家族を誘ってまた観に来てください。口コミの力に優るものはないですからね。初心者さん大歓迎です!

札幌演劇シーズン実行委員会
電話:011-281-6680 (ノヴェロ内 平日午前10時30分~午後4時)
Email:info@s-e-season.sakura.ne.jp
WEBサイト:https://s-e-season.com/
X:@engekiseason
Instagram:@sapporo_engekiseason
facebook:札幌演劇シーズン

(上記の情報は記事作成時点でのものです。
最新の情報は各店舗にお問い合わせください)

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