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ヤクルトでは1年目に活躍も、その後は成績低迷「一番は文化の違い」
2012~15年にヤクルトでプレーしたラスティングス・ミレッジ氏が米メディアの取材に応じ、日本球界でのプレーについて「メジャーでプレーするより10倍難しい」と振り返っている。来日1年目には、主にリードオフマンとして打率.300、21本塁打の好成績を残した同氏だが、その後は成績が低迷して退団していた。
インタビューを掲載したのは「Mets Merized Online.com」。2003年のドラフト1巡目(全体12位)でメッツから指名を受け、プロのキャリアをスタートさせたミレッジ氏に直撃している。
記事によると、ミレッジ氏は現在、2歳以上から受けられる野球塾を出身地でもあるフロリダ州ブラデントンの近くで2校運営しているという。日本での4年間について聞かれると、「日本でプレーするのはメジャーでプレーするのより10倍難しいこと」と断言。その理由として「一番は文化の違いかな。13時間の時差はとても大きな意味を持っているんだ。最初に日本に行った時に、慣れるまで大体半年かかったよ」と説明している。
さらに、「期待度はものすごく高いし、メディアの扱いも大きかったね。なぜなら、自分は“州レベル”ではなく、国を背負わなければならないから。アジア出身の選手がメジャーに来る時にも同じことが言えるよ。オオタニ、タナカ、Dice-K(松坂)、ダルビッシュ。彼らのことを追っていたメディアの数のようにね」とも話したという。
NPBは「実に素晴らしいリーグ」も…「ストライクゾーンが非常に広い」
文化の違いとは具体的にどういうことか。ミレッジ氏が挙げているのは、練習の内容、そして、食事だ。
「スプリングトレーニングが2度あって、練習がより細かいものなんだ。全体的に見て、とにかくこっち(の練習)よりも体に堪えるものだね」
「食事の仕方もこっちより厳しくてね。それはそれは厳しかったよ。日本では(食事の前に)手を洗うんだ。『勘弁してくれ、(汚れてないから)問題ないのに』という感じさ」
一方で、NPBのレベルについては「実に素晴らしいリーグだった」と称賛。ただ、メッツにドラフト1巡目で指名された有望株で、メジャー通算433試合に出場していたミレッジ氏は、ストライクゾーンの違いには苦しんだという。
「より難しさがあったね。ストライクゾーンが非常に広くて、審判もメジャー程の技術があるわけではないからね。オオタニのような投手がホームプレートから3~4インチ(約8~10センチ)離れたところに投げてきたり、タナカと対戦した時も、内角・外角にプレートから4インチ(約10センチ)離れたところに投げてくるんだ」
2年目以降に成績が落ちた理由は、こういったところにあったのかもしれない。実際に、ミレッジ氏は日本でストライクボールの判定で球審に抗議し、退場となっていた。助っ人が日本で成功をおさめるためには、様々な能力が必要となることは確かなようだ。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)