ナショナルズが「白旗」宣言 マーフィー&アダムスを放出

開幕前にワールドチャンピオン最有力候補の1つに挙げられながらも勝率5割前後をウロウロし、地区首位のブレーブスから7.5ゲーム差、ワイルドカード圏内からも6.5ゲーム差と苦しい戦いが続くナショナルズがついに「白旗」宣言だ。日本時間8月22日、ナショナルズはダニエル・マーフィーをカブス、マット・アダムスをカージナルスへ放出したことを発表。ポストシーズン進出を目指す戦いは事実上終了した。

ナ・リーグ中部地区の首位に立つカブスはマイナーの内野手であるアンドリュー・モナステリオと後日指名選手(または金銭)を放出してナショナルズからマーフィーを獲得。正三塁手のクリス・ブライアントと正遊撃手のアディソン・ラッセルがコンディション面に不安を抱える状況のなか、好打のマーフィーを獲得することで内野手補強を実現させた。昨季まで2年連続で打率.320・20本塁打・90打点・OPS.920のラインをクリアしたマーフィーだが、今季は右膝の手術の影響で大幅に出遅れ、ここまで56試合に出場して打率.300・6本塁打・29打点・OPS.784にとどまっている。しかし、本職の二塁のほかに一塁や三塁も守れるユーティリティ性、そして何よりメジャー屈指の打撃力は、2年ぶりのワールドシリーズ制覇を目指すカブスにとって大きな戦力となるはずだ。

一方、カージナルスはトレードではなくウエーバーを介してアダムスを獲得した。アダムスは昨年5月までカージナルスに所属していたため、およそ1年半ぶりの古巣復帰。昨季は自己ベストの20本塁打・OPS.841をマークし、今季もここまで18本塁打・OPS.842と強打を発揮しているため、やや迫力に欠けるカージナルス打線において貴重な存在となるだろう。カージナルスの一塁には目下リーグ本塁打王のマット・カーペンターがいるものの、カーペンターは三塁を守ることもできる。相手先発投手が右腕の試合では一塁・アダムス、三塁・カーペンターという布陣が採用される可能性が高そうだ。

また、ウエーバーにかけられていたブライス・ハーパーに対してドジャースがクレーム(=獲得意思の表明)をしたことも明らかになっている。しかし、トレード交渉には発展せず、ナショナルズは今季終了後にフリーエージェントとなるハーパーを今季終了まで保有し続けることを選択したようだ。

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