井上/野上 「応援が力になった」 地元に感謝

 ジャカルタ・アジア大会の男子マラソンで日本勢32年ぶりの金メダルを獲得した井上大仁(ひろと)(MHPS)、女子マラソンで銀メダルに輝いた野上恵子(十八銀行)の2人が28日、長崎市役所を訪れて「皆さんの応援が力になった」と地元へ感謝の思いを伝えた。
 2人とも長崎市を拠点にしており、市は快挙を祝う看板を庁舎玄関に急きょ設置。メダルを首にかけた両選手が姿を見せると、多くの職員らが拍手で出迎えた。井上は「ありがとうございます」と繰り返し、野上は同僚の前で立ち止まってメダルを披露していた。
 応接室では田上富久市長が握手で出迎え。井上は「会社の人や現地にいる日本人が沿道から大きな声を掛けてくれた。帰国後の反応も多くてありがたい」、野上は「みんなの応援のおかげで苦しいときも頑張れた。幸せ者です」と周囲の力の大きさを強調していた。
 井上は自らのレース翌日にあった女子マラソンの給水所で、野上にボトルを手渡したことでも話題になった。野上は「地元の人から受け取り、力をもらえた」と振り返ると、井上も「すごくいい笑顔で反応してくれた。うれしかった」と笑みを浮かべた。田上市長は「2日連続で(メダル)というのは、なかなかない。市民を元気にしてくれた。スポーツは素晴らしい」と感心しきりだった。
 野上選手は同日正午ごろ、十八銀行の吉井賢監督と一緒に長崎空港に到着。ロビーでチームメートや行員らに温かい拍手で出迎えられた。長崎空港ビルディングは到着セレモニーを開催。同社の柴原菜津季さんらが花束を手渡して祝福した。
 両選手は29日、県庁も訪れる予定。

田上市長にメダルを見せる井上(MHPS、右)と野上(十八銀行)=長崎市役所
長崎空港に到着して、チームメートと抱き合う野上(十八銀行、中央)=大村市、長崎空港

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